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「GT-R」の影に隠れたホットハッチ! 300台限定の「パルサーセリエVZ−R」が本気すぎるも「シビック」には勝てず

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: AMW編集部

限定300台のVZ-R・N1バージョン2も投入

「よく曲がるFF」として高く評価されていたシビックタイプRに比べると、ハンドリングはイマイチ劣り、トータルパフォーマンスでは明らかにEK9に分があった。そこで日産は翌1998年に、VZ-R・N1バージョン2も投入。

今度はサスペンションのスプリングレートを強化してフロントの車高をダウン。ダンパーも減衰力を見直し、タイヤサイズも195/55VR15から205/50VR15にサイズアップ。エンケイ製の軽量ホイールもオプションとして用意した。マフラーもフジツボ製の専用マフラーとなって、シートもR32GT-Rの純正シートのフレームを流用した専用スポーツシートに! こちらも限定300台で販売された。日産パルサーセリエVR-Zバージョン2

ベースはよかったものの……

そして肝心のスーパー耐久レースではどうだったのか。けっこう有力なチームがパルサーVZ-Rで参戦し、善戦。FALKEN★パルサーは1998年、1999年に2年連続クラス2位(4クラス)。他にも5ZIGEN PULSARや、PMC・S(プリンス モータリスト クラブ・スポーツ)パルサー、ニッサンR&Dパルサーなどが走っていたが、チャンピオンはシビックに持っていかれてしまった……。

考えてみるとパルサーのルーツは日産チェリーで、1973年の富士マイナーツーリングでは、あの星野一義がドライブしたチェリークーペが、高橋健二のサニーに破れチャンピオンを逃している。VZ-Rの先代、N14のパルサーGTI-Rも「ラリーの日産」の復権を目指しててんこ盛りのスペックで登場したが、競技の世界では不発。アンラッキーな血統という面も否めない。

パルサーは、国産ホットハッチの歴史の中で、もっと評価されてもいいはずなのだが、VZ-Rなどは限定車ということもあって、ライバル車たちの間に埋没しており、少し残念な存在だ。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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