欧州にもたくさんいる「サンデードライバー」
ニュルでのレース取材を終え、日曜日の午前中にペンションをチェックアウトした後、濃霧と土砂降りの雨の中をまた530kmの帰路に着きましたが、やはりイースター休暇中のためか、普段の日曜日よりは交通量はかなり多めです。
ドイツでも日本のように「サンデードライバー」という名称があり、「Sonntagsfahrer(ゾンタークスファーラー)」といいます。普段滅多にアウトバーンを走らない方々が必死にハンドルを握って、ガチガチになりながら運転している姿を見掛けます。
それだけなら良いのですが、流れを止める運転なので渋滞の原因になりがちです。ノロノロ運転はもちろんのこと、意味不明なところで突然ブレーキを踏んだり、今ここで? と疑うところでウインカーを出さずに突如車線変更をするという無謀ぶりに啞然とします。
ほかにもバカンスのために荷物をギューギュー詰めにしたうえ、ルーフにも荷物を載せ、家族やペットも乗せた大重量のクルマも多いのです。この日曜日にはとくにベルギーやオランダ、イギリスナンバーのクルマが多く、みなさんオーストリアやイタリアを目指して南下していきます。さぞかしバカンスへ向かう道中は楽しいでしょうし、車内も盛り上がっていることでしょう!
しかし、ラジオの交通情報ではあちらこちらで事故渋滞や通行止めのニュースが何度も入りうんざりです。家族と大荷物で乗るには非力な200馬力以下のクルマに、1人で運転しているときと同じようなハンドリングやブレーキングで、後ろから見ていてもハラハラなドライバーもいます。ましてやこの日は大雨でそこら中に水たまりも! 前方を走る白やライトグレーのクルマがほとんど水煙で隠れてしまうほどなので、当然車間距離を十分に取る必要があり、私はかなりスピードを落とていました。
そんなときに限ってこのようなバカンス行きの無謀ドライバーが、せっかく安全のために取っている車間に急に割り込んできて、ハンドルを取られてスピンしそうに……。イタリア方面に向かうA8号線で、シュトゥットガルト空港からミュンヘンまでは速度制限解除区間が比較的多いうえ、アップダウンが激しいのでドライコンディションで空いているときにはとても楽しいハイスピードのドライブコースです。
しかし、大荷物&フル乗車で頑張って追い越し車線に出ても加速しないですし、大雨+急な下り坂は思った通りの所でブレーキが利きません。お父さんお母さんたちは、同乗のご家族の安全を考えて運転してほしいものだと切に願いましたね。