子どもの頃に惚れた初代シルビアを社会人になってから購入
日本旧軽車会の主催で2023年3月5日に開催された「昭和平成クラシックカーフェスティバル」。会場となったキヤッセ羽生には、約200台もの国内外の旧車が集合し参加者・見学者ともに旧車と過ごす春の1日を楽しんだ。会場から、美しくオールペイントされたばかりの日産初代「シルビア」のオーナーを紹介しよう。
パトカーとして採用された写真にひと目惚れ
「東京オリンピックの翌年の1965年にシルビアが第三京浜のパトロールカーになって、その写真がカッコ良くて、絶対将来乗りたいなと思っていました。社会人になったときに自分でお金が払えるようになったんで、それからずーっと探して1980年に12年落ちで購入しました」
そう語るのは1968年式日産初代シルビアのオーナー、小林 仁さん。以来43年間にもわたって乗り続けている。シルビアの購入前にはトヨタの30「カローラ」に乗っていたそうだが、乗り換えたときに車高が低くて乗っていて楽しい! と思ったことを覚えているそうだ。
「SP(ダットサン・フェアレディ)と一緒のエンジンだからとてもよく回るし、見た目とは裏腹に結構速いんですよね。高速も比較的速いので、気持ちよく走れるクルマだなと思います」
43年間、ほぼノートラブル
43年の所有期間のうち、転勤のため10年ほど車検を切って動かさなかった時期があり、そのときに燃料タンクの中が錆だらけになりタンクを交換した程度で、大きなトラブルには遭遇していないという小林さん。
他にはアルティアにタコ足からマフラーまでステンで製作してもらい、昨年ボディに錆が浮いてきたのでオールペンを行っているが、それ以外は通常整備と車検代・ガソリン代・保険代くらいしか掛かっていないのだとか。
ところで長い間乗り続けているなかで、浮気心は起きなかったのだろうか。
「購入のときに、ハンドメイドの117クーペと少し迷ったんですが、初心貫徹でシルビアを購入しました。その他にもセリカとか箱スカとかもいいんですけど、やっぱりシルビアはデザインがカッコいいですよね。このシルビアの後にS10シルビアが出て、当時はなんでこのデザインになるんだって思いましたけど、今見るとS10シルビアも独特なスタイルで良いですけどね。現代のクルマだと乗りたいな、欲しいなっていうクルマはないですね」
80歳までは乗り続けたい
今後もこのシルビアに乗り続けるという小林さん。機関関係はSPやSRのフェアレディと共通で使えるものもあり、現状大きな問題はないものの、ボディパーツなどはほとんど手に入れられない状態なので、できるだけ現状維持をしていきたいと思っているそうだ。
「外装パーツは皆無ですから、なるべくぶつけられないようにしています。80歳までは乗るつもりで、その後は長男が継いでくれるとか言ってますが、どんどん内燃機関のクルマがなくなってくるんで、そのときにガソリンスタンドがあるのかな、ってそっちの方が心配になってきちゃいますね」