ツインカムエンジンを搭載した2台の軽自動車
今回で8回目となる「AUTOMOBILE COUNCIL2023」にホンダが参加。最初の市販4輪車となったT360と、市販には至らずプロトタイプに終わったスポーツ360を出展していました。今年で創業75周年を迎えるHondaは自転車用補助エンジンの生産を手始めに2輪の生産販売で大きく成長、現在でも2輪車の販売台数や売上高で世界首位につけています。その一方で4輪車に関しては、1962年に進出の意向を表明し、翌1963年に軽4輪トラックのT360を発売しています。
ホンダが4輪製品にこぎつけた2台を展示
つまり今年はホンダが4輪に進出してから60年目で、記念すべきメモリアルイヤーのAUTOMOBILE COUNCILに初の4輪製品であるT360の出展は必然です。T360はエンジンをアンダーフロア=ミッドシップに搭載した、当時のトラックとしては異例のパッケージングが大きな特徴でした。
さらに搭載したエンジンがツインカムの水冷直列4気筒と、当時としてはこれまた異常なハイメカニズムを採用していましたが、これはスポーツカーの製造を計画していたホンダとしては必然でした。実際にT360とチューニングの度合いは違ったものの、基本設計は同じツインカムの水冷直列4気筒エンジンを搭載したオープン2シーターのスポーツ360を開発していました。ただ360ccという小排気量のスポーツカーは現実的ではなく、エンジン排気量を500ccに引き上げて、ボディサイズも軽自動車枠に縛られない小型乗用車枠のS500が開発されて市販にこぎつけた経緯があります。