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モータースポーツで鍛えた三菱の電動化!「パイクスピーク」や「アジア・クロスカントリー」で戦った車両がオートモビルカウンシルにやってきた

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

電動化にかける意気込みの強さを感じられた

軽自動車規格のi-MiEV(アイ・ミーブ)でライバルに先駆けて電気自動車の量産・量販化を達成した三菱自動車は、近年ではエプリプスクロスPHEVやアウトランダーPHEV、そして昨年発表されたeKクロスEVなどクロスオーバーSUVモデルの電動化を推し進めています。そんな三菱は今回幕張メッセで開催されたAUTOMOBILE COUNCILにおいても力強くアピールしていました。

話題のモデルと競技マシンを展示

ミッドサイズSUVの「アウトランダーPHEV」と、コンパクトサイズ・クロスオーバーSUV「エプリプス クロスPHEV」、そしてクロスオーバーSUVで軽トールワゴンを電動化した「eK X(クロス)EV」の3モデルを前面に押し出したブースを展開。アウトランダーPHEVは、隣にキャンピングテントを配置し、最近話題の“電源のあるオートキャンプ”をイメージさせる展示となっていました。

その一方で、1980年代から参戦体制を強化し、世界ラリー選手権(WRC)ではランサーエボリューションによって幾度もワールドチャンピオンを獲得。またダカール・ラリー、通称“パリ・ダカ”ではパジェロやパジェロエボリューションが6度の総合優勝を飾るなど、モータースポーツで活躍してきた三菱らしく、今回のAUTOMOBILE COUNCILにもモータースポーツ参戦車が出展されていました。

市販電動モデルの開発の一環として参戦

WRCやダカール・ラリーへの参戦を休止したあと、三菱が力を入れてきたモータースポーツはパイクスピーク・ヒルクライムとアジア・クロスカントリー・ラリー。参戦する競技車両には市販モデルの電動化技術を盛り込むなど、市販電動モデルの開発の一環として参戦しています。

今回出展された“競技車両”のうちの1台は、2013年にアジア・クロスカントリー・ラリーに出走していたアウトランダーPHEVです。現行モデルの一世代前の2代目モデル(GF7W系)ですが、三菱がスペシャルパートナーとして協賛し、初出場ながら17位で完走したマシンそのもの。

アジア・クロスカントリー・ラリーに出走していたアウトランダーPHEV

そしてもう1台は2014年のパイクスピーク・ヒルクライムで総合2位/EV改造クラス優勝を飾ったMiEV Evolution IIIです。2012年に3年計画でパイクスピーク・ヒルクライム挑戦を計画した三菱は、市販モデルをベースにした競技車両ではなく、純レーシングマシンとしての競技車両で参戦することを計画しました。

スチール製のパイプフレームにカーボンファイバーで成形したCFRPカウルを被せる純レーシングカーでしたが、カウルはi-MiEVをイメージさせるシルエットが採用されていました。そのi-MiEV Evolutionで得た知見をベースに、翌年のMiEV Evolution II、そして2014年のMiEV Evolution IIIと進化を続け、3年連続でクラス2位入賞を果たしています。

2013年のMiEV Evolution IIから車名の最初のiが外されたのは、市販車のモチーフに拘ることなく空力を追求したためで、実際にはルーフのないオープンのシングルシーターに変わっていました。そんなMiEV Evolution IIIを間近に見ることができ、あらためて三菱の電動化にかける意気込みの強さ、意識の高さを感じることができました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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