雨の季節になる前に色々と対策したい
これからの季節、毎年問題になるのが夏から秋にかけて発生する台風やゲリラ豪雨。その前には梅雨もあって、大げさかもしれないが、昨今では1年のうち半分ぐらいは大雨を気にしなければならないような状況だ。日本も亜熱帯になってしまったと言われるのもあながち外れてもいないだろう。ここで大切になってくるのはクルマの雨対策。最新のクルマでも雨に特化した装備はなく、きちんと事前に対策をしておきたい。気をつけるべきポイントを紹介しよう。
フロントウインドウに撥水剤を塗る
やはり撥水させると視界はまったく違うということで、ウインドウコーティングは必須だ。選ぶ際のポイントは成分で、大きく分けてふたつある。撥水力に優れるが耐久性はそこそこのシリコンと、耐久性はあるが撥水力はそこそこのフッ素。好みや塗り直す手間などによってどちらか選べばいい。
塗って乾かして拭き上げるのが基本とはいえ、製品によって作業工程は微妙に異なるので、とにかく説明書の指示に従うこと。ガラス面にしっかりと皮膜を作るためにはやはりメーカーの指示を守ることが絶対だ。
そのほかのウインドウにも撥水剤を
運転中はフロント以外のウインドウも使って周囲を確認する。前席両サイドはもちろん、リアウインドウにもコーティングをかけておく。また、サイドミラーも視界確保という点では塗っておきたいが、より撥水力の高い専用品もある。未施工だと、強雨のときはほぼ見えなくなってしまうこともあるので、忘れずに塗っておこう。
油膜を除去してウインドウコーティングを確実に定着させる
油膜が付いていると、ワイパーを動かしてもクリアな視界は確保できず、ウインドウコーティングもきちんと定着させられない。以前ほどは固形ワックスが使われなくなったので、油膜の付着も少なくなってきたが、それでも排気ガスなどが原因で油膜は発生する。軽いものならスプレータイプで落とすことができるが、ひどいものはガラス用のコンパウンドで削り落とすしかない。いずれにしても付いていると安全性は著しく落ちるので、事前の対策が重要になる。
ワイパーの点検&交換も忘れずに
ガラスコーティング施工以前の基本としてチェックしたいのがワイパーだ。まずはワイパーの点検で、ゴム部分が横から見て曲がっていたり、軽く引っ張ってみて亀裂がないかを見る。また、ゴムだけでなく、ブレードと呼ばれる金属部分にもガタがないかを確認して、不具合があった場合は交換すること。雨の日の安全性はワイパーにかかっているともいえるので、半年に1回の点検と1年に1回の交換が理想だ。その際、ブレードごとがベストではある。
ウインドウの曇りの取り方&防止方法
エアコンをかけていれば除湿されるので基本的にはガラスの内側は曇らない。だが、乾燥を嫌ってエアコンはあまり使いたくないという人もいるので、曇り対策は必要だ。
まずなぜ曇るかというと、車内と車外の気温差があるから。さらに車内に湿気があると曇る。夏に冷たい飲み物を入れたグラスに水滴が付くのと同じ理屈だ。
つまり曇りは水滴であり、汚れを中心にできやすいので、常日頃からきれいに保つようにしておくのが基本。防止するのは一般的な曇り止めでいいが、ガラスクリーナーを薄く塗るのもいい。界面活性剤が水滴を潰して平滑にすることで曇りを止めてくれる。
ちなみにフロントデフォッガーというモードがあるが、外気導入にして強めに風を出すとある程度は消えるが、空気が結局は湿っているなどで効果は薄い。
乗車頻度が少なければ湿気取りは必須
定期的に乗っていると空気が入れ替わるので気にしなくてもいいが、あまり乗らないと湿気はこもりっぱなしになる。これが悪臭や雑菌の発生につながるので、湿気取りをシートの下やラゲッジに入れておくといい。クルマ用でもいいが、押入れ用などの大型がオススメで、倒れないように設置するのがポイント。
駐車場所にも気を使うとベスト
最近のクルマは雨が強く当たっても車内に浸入してくることはないので、駐車場所にはそれほどシビアになる必要はない。それでも気をつけたほうがいい場所があり、まずは木の下だ。葉っぱが落ちやすい木の下だと、ボディの細かい部分に入り込んでグズグズになってしまい悪さをすることがある。とくに外気の採り入れ口であるワイパーの付け根付近には溜まらないようにすること。また、長期間止める場合は土の上はできるだけ避けるようにしたい。意外に湿気がこもりやすく、ぶつけてしまったり擦ってしまった箇所が錆びることもあるのだ。