日産のクラシックカーに対する今後の展開に期待!
「やっちゃえ日産」のヘッドコピーで自動運転の進化を訴えるCMが話題を呼んだ一方で、女優の伊藤かずえさんが愛用してきた1990年式シーマのレストアも大きな話題となった日産。2023年4月14日から16日まで、幕張メッセで行われたAUTOMOBILE COUNCIL 2023に『Love Stories with NISSAN - Enjoy your favorite one in everyday life』のテーマで出展していました。
ヒストリックモデルから現行モデルまで展示
出展車両はレストアされた伊藤かずえさんのシーマを筆頭に、1970年式のスカイライン2000GTや1989年式のパオ、1998年式フェアレディZ Version Sなどのヒストリックモデルに加え、現行モデルでは軽自動車規格の電気自動車、SAKURAを出展。
1970年式のスカイライン2000GTは“ハコスカ”の愛称で知られたモデルで、日産のスポーティ路線の先駆けとなった1台です。1989年式のパオは、初代マーチをベースにした“パイクカー”。Be-1に次ぐ第2弾で、個性的なデザインが人気を呼んでいました。
フェアレディZは日産を代表するスポーツカーで、特に北米では絶大な人気を誇っています。会場に展示されていた1998年式の4代目、Z32系のモデルですが『スポーツカーに乗ろうと思う』というキャッチコピーで登場。Version Sは5年後に追加設定されたグレードです。このように3台は三者三様に日産の歴史を物語っています。
登場したばかりのSAKURAは、まだモデルライフが始まったばかりですが、いつの日にかは、あらたな歴史となるに違いありません。
ヒストリックカーを体験してもらうプロジェクトが進行
会場では伊藤かずえさんに加えてパオのオーナーである小池一博さん、日産の社員でフェアレディZのオーナーでもある丹呉いずみさんの3名が登壇してのトークショーも開催され、オーナーならでは想い……愛車との出会いから愛車と過ごす日々の出来事など、日産車とのラブストーリーが熱く語られていました。
注目すべきは、シーマやフェアレディZ、パオなどとともに会場に展示されていたヘリテージカーのスカイラインGTですが、これは日産として新たなプロジェクトを立ち上げるための1台となるようです。車両自体は日産の座間事業所に併設されている日産ヘリテージコレクションに収蔵されている個体なのですが、この個体を使ってヒストリックカーを体験してもらおうというプロジェクトが進行しているのです。
旧車に興味はあるけれども、どのくらい費用が掛かるのだろうか? どのように保管したらいいのだろうか?? というような不安もあって、なかなか簡単には踏み出せないのも事実。日産ではそういったヒストリックカーに興味のある人たちに向けて、実際に一度、ヒストリックカーを気楽に楽しんでもらおうと考えているようです。
その背景には、旧いクルマを楽しむということが広まっていかない限り、旧いクルマを大切にする文化はもちろんですが、旧いクルマ自体も(後世まで)残っていかないのでは、という危機感があるようです。そしてスカイライン2000GTが選ばれた理由としては、日常的に公道を快調に走らせることができる個体、という観点から選ばれたようです。
レストアについては順調に進んでいて、この後ナンバーを取得するため車検を受けて、と一歩ずつ進めていき、秋ごろには公道を走ることが可能になるようです。この個体にはエアコンが装着されていないから、秋口になって猛暑が和らいでから、との判断もあるようですが、こうしたプロジェクトで旧車ファンが増えるのは個人的にもウェルカムです。