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懐かしい大阪万博当時を思い出させるトヨタ「セリカLB」の精密すぎるモデルカーがオートアートから登場!【モデルカーで知る名車】

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循/トヨタ自動車

大きなテールゲートの開閉まで完璧に再現

他のオートアート製モデルカーと同様、このセリカ・リフトバック2000GTもこのスケールの量産ミニカーとして教科書的な完成度に仕上がっている。ABS樹脂製の正確なボディ・プロポーションはいうまでもなく、左右ドアや前後のフードは高い精度で開閉。また、いかにも1970年代のスポーツ/GTカーらしい黒一色の室内やボンネットの中の4気筒ツインカムの18R-Gエンジン、補器類の再現度もリアルだ。

ちなみに当時の実車カタログには海や草原、さまざまなシチュエーションでテールゲートを大きく開けたセリカ・リフトバックが紹介されている。当時の若者はテールゲートの中に何を詰め込んでレジャーに繰り出したのだろうか。

のびのびとした70年代の空気感まで漂ってくる

1970年の大阪万国博覧会を潮目に、世の中はそれまでの「気合いとド根性で栄光へ向かってまっしぐら」という一途な時代から、徐々に「少し余裕が出てきたからそれほどガツガツしなくてもいいんじゃないか」という雰囲気が芽生えてきたようにも思える。

クルマの世界で言えば「もう汗かいてレースする時代じゃないでしょ」とばかりに、ハコスカでのレースを卒業したケンとメリーが軽やかに北海道にドライブに出かける70年代。あるいは音楽の世界で言えば「世の中の不正義に異議を唱えるより、日常の幸せでしょ」とばかりに、社会派フォークソングや反体制ロックが四畳半フォークやニューミュージックへと変化していった70年代。セリカ・リフトバックはそんな時代の変わり目に生まれたクルマだ。

オートアートのセリカ・リフトバックは、見るものにそんなことまで思い起こさせる時代の空気感をも纏っているようだ。

■AUTOart 1/18 トヨタ セリカ リフトバック2000GT(RA25)1973(モスグリーン)
定価:3万800円(消費税込)
問い合わせ:株式会社ゲートウェイ・オートアート・ジャパン
https://www.autoartmodels-jp.com

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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