特有のネガティブさがまったくないディーゼルエンジン
日本市場向けは、とりあえず直6ディーゼル1本に絞られた。他にガソリン6発をローンチエディションでごく少量用意したのみ。これはレンジローバーでも事実上同じような事態になっている。ディーゼルしか日本にやってこないのだ。
もっとも実際に乗ってみれば、レンジローバーも含めて、直6ディーゼルのD300で不満はない。もはや音や振動といったディーゼル特有のネガティブは全くなく、そのエンジンフィールもまた軽油を炊いているとは思えないほどに滑らかだったから、ガソリンスタンドではグリーンのノズルを挿していいのか何度も確かめたほど。これで燃費はガソリンの3割増しで良く、リッターあたりのコストも低いのだ。ディーゼルエンジンへの風当たりが強くなっているけれど、欧州メーカーの6発ディーゼルは最高な内燃機関の1つだろう。
さて、肝心のレンスポそのものの乗り味はどうだったか。以前よりはレンジローバーとの明確な差は無くなったと思う。レンジローバーより近づいたとでも言おうか。もちろんレンジローバーよりも街中の少々荒れた舗装路では硬派な乗り心地を見せるが、速度域が上がっていくにつれてそれも見事に収まって、“王者の風格”というべきドライブフィールを提供する。郊外路をクルージングしている時の気分はまさにレンジローバーだ。
まずはレンスポの魅力を十分に引き継いだと言える3代目。パワートレインや装備面を含めた今後の、そして早々のさらなる充実にも期待したい。