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新旧アルピーヌ「A110」が並んだ! オートモビルカウンシルに並んだ3台のフレンチブルーをご紹介

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

2つの特徴的なスピリットを持ったモデルを出展

ルノーのスポーツ系ブランドとして根強い人気を誇るアルピーヌは、幕張メッセで行われたAUTOMOBILE COUNCIL 2023に出展。『過去から現代に脈々と引き継がれるブランドのストーリー』をテーマに、1972年式のヘリテージカーで、オリジナルモデルのアルピーヌA110 1600Sと、モダンな現行モデルのアルピーヌA110 RとA110 GT、新旧合わせて3台のA110を展示していました。

F1譲りの軽量マシン「A110R」

アルピーヌの展示スペースは日産ブースの並びで、その奥には三菱のブースも展開されていてアライアンスで会場右サイドの壁面を覆いつくす恰好に。1972年式のA110 1600Sは1956年に登場した最初のアルピーヌ、ミッレ・ミリアA106の血を引いたモデルであり集大成の1台でした。

また同時に、アルピーヌの名を世界的に知らしめた1台でもありました。ラリーの世界最高峰、世界ラリー選手権(WRC)が制定される以前から世界中のラリーのクラシックイベントで活躍し、1971年にはWRCの前身となった国際マニュファクチャラー選手権でチャンピオンに輝き、1973年から始まったWRCでも栄えある初代ワールドチャンピオンに輝いています。

そんなA110を“祖”とする現行のA110ですが、今回のAUTOMOBILE COUNCILでは2つの特徴的なスピリットを持ったモデルが出展されていました。1台は、F1マシンであるA552譲りの“ブルー・レーシング・マット”という艶消しブルーのボディカラーを纏ったA110Rです。アルピーヌA110R

オリジナルのA110から40年ぶりとなる2017年に誕生した“新世代”のA110は1.8Lの直4ターボを搭載していますが、そのエンジンをチューニングしたA110Sでは最高出力がA110の252psから300psに引き上げられています。

そのA110Sをベースに軽量化と空力を追求したモデルがA110Rです。ボンネットやサイドスカート、リアスポイラーなど多くのパーツにカーボンを採用して欧州仕様のA110Sに比べて34kgの軽量化を達成。エアロダイナミクスを全体的に見直してスワンネックのリアスポイラー(ウイング)やリアディフューザー、サイドスカートなどを装着しています。これにより最大29kgのダウンフォースを増加させるとともに、5%の空気抵抗低減を実現したのです。エンジンのパフォーマンスはそのままに、軽量化や空力を追求するのは、まさにA106から継承されるアルピーヌの真骨頂で、オリジナルのA110の中では1300Sの精神を引き継ぐモデルです。

オリジナルのA110の特徴を盛り込んだGT

今回のAUTOMOBILE COUNCILに展示されたもう1台の“新世代”A110は、オリジナルをイメージさせるメタリック系の“ブルー アビス”のカラーを纏ったA110GTでした。2022年のマイナーチェンジで誕生したA110GTは、A110Sの高いパフォーマンスに加えて、高い快適性をも備えたグランドツアラー。オリジナルのA110の中では特徴的な埋め込み式補助ライトを初めて装備したことでも知られる、1600Sのポジションを継承したモデルということになります。

1972年式のヘリテージでオリジナルのA110 1600Sを中央奥に置き、モダンな現行モデルのA110RとA110GTを手前左右に配置した展示はわずか3台だけの演出でしたが、『過去から現代に脈々と引き継がれるブランドのストーリー』を表現するには十分でした。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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