ガラス製キャノピーとバタフライドアで圧倒的な個性を放ったセラ
日本旧軽車会の主催で2023年3月5日に開催された「昭和平成クラシックカーフェスティバル」。会場となったキヤッセ羽生には、約200台もの国内外の旧車が集合。今回は、バブル期に未来感たっぷりでデビューしたトヨタ「セラ」を大事に乗っているオーナーを紹介しよう。
23年前に大学生だった息子のために購入
1990年式トヨタ「セラ」のスーパーライブサウンド仕様でイベントに参加していた五十嵐さん。セラの特徴のひとつであるバタフライドアを跳ね上げて展示し、興味をもった人たちのさまざまな質問に答えていたのだが、じつはこのセラ、本来は息子さんのために購入したものだという。
「23年くらい前に購入したんですが、もともとはウチの子どもが大学2年の時に“セラを探して”っていうことで、手に入れたんです。2年くらい息子が乗って、その後2年くらい娘が乗ったのかな。当時でさえ見ないクルマだったんで、そのまま引き取って4~5年乗って。その後は、ナンバー切って10年くらいは車庫に置いといて、ナンバーを取り直したのが4年前くらいかな」
夏は暑いが、それ以上の魅力も
車庫に置いていた10年間もただ放置していたわけでなく、少しずつ手は入れていたそう。足まわりはEP9系「スターレット」のストラットとスプリングをセットし、前後にタワーバーを装着。今回は交換していたが、普段のホイールはレイズの17インチをセットしているそうだ。
ところでセラといえば、上部がほぼガラス張りのグラスキャノピー・グラストップが特徴だが、実際乗ってみるとどうなのだろうか。一部には上がガラスなので直射日光が入り、夏は地獄だという話もあったが……。
「サンシェードも付いているんですが、頭が少し熱くならない程度です。だから帽子をかぶって運転しています。夏はほんとに地獄で、去年の春にエアコン全部直しました」と語る。だが、23年間も所有しているのはそれ以上の魅力があるからのようだ。
「上が見えるというのはオープンカーと一緒なんですけど、寒い夜や雨の日なんかも室内から空が見えるのがいいんですよね。小さくて、全面ガラスなんで見渡しもいいんですよ。だから、運転してて楽なんです。それとこんな小っちゃいクルマで、ドアがこんな風に開くクルマは少ないですから」