誰もが憧れる「DSU杯」優勝
ドレスアップカー乗りが憧れるイベントといえば、東西王座決定戦の名で知られる「DSU杯」だ。各地で開催される予選を勝ち抜いた強者だけが参加できる特別なステージ。この世界の頂点を目指すならば、全国に名声が轟くドレスアップ界の栄冠は誰しもが手にしたいはず。今回紹介する18クラウン乗りの“なおち”さんも、VIPカーの世界を極めるべく、DSU東西王座決定戦を狙って愛車をフルカスタム。創意工夫によって2022年度、見事に名誉ある優勝を勝ち取った。
2022年度の優勝車はクラウン
他人と被らない特別仕様を作り、全国の強者ドレスアップカー乗りが、頂点を目指して競い合うドレスアップ界の祭典「DSU東西王座決定戦」。“なおち”さんの18クラウンは、VIPカー乗りならば誰もが憧れるDSUにおいて総合優勝を果たしたマシンだ。
その道を究めようとするオーナーたちにとっては、DSU優勝マシンともなれば、装着させたパーツ、魅せる工夫、考え方を含め、すべてが興味の対象になるはずだ。
マシン製作のコンセプトは、通常のVIPカーのアプローチではなく、ショーカーとして完成させるために、とにかく魅せる点にこだわり考え抜いたとオーナーは話してくれた。
その表現方法は室内を見てもよく伝わる。通常のVIPスタイルなら、乗車定員を犠牲にすることなく作り込む。だが、このクラウンのリアシートは完全に潰して、そこにユニバーサルエアーのエアサスタンクがディスプレイされている。
さらに、イルミネーションタワーをセンターに1本、左右1本ずつマウント。シートは運転席と助手席のみ2シーター化という割り切ったスタイルだ。この車内に設置したタワーとトランク内のオーディオシステムで、強烈な光を放つイルミネーションによってショーカーとしてアピール度が高められている。
エッジを立てて、シャープなイメージに
外観についても独自のアプローチが満載だ。たとえばエッジを際立たせて作った鋭いイメージのエクステリアは、近年のVIPカーエアロの定番アプローチを加えつつも、各パーツをより強調させる作り込みとして、プレスラインの入れ方、ダクトの処理など、さらにエッジを際立たせる工夫を施し、クルマ全体をカッコ良く魅せている。
とくに印象的なのがリアフェンダーだ。フロントから続くスタイリッシュなフォルムを強調するリアフェンダーダクトの追加は割と多く、通常ならばこれで終了となる。しかし“なおち”さんの場合は、さらにリアクオーター部にもダクトを作り、エッジを強調して鋭さをアピール。
また、ボンネットはグリル一体式のダクトスタイルがキマっている。18クラウンらしい表情を崩すことなく、バンパーとの組み合わせによってシャープでスポーティなルックスを引き出している。
基本的に外装はワンオフで、デザインアレンジは角度を付けたV字を強調。また、ダクトの深堀り感を強調するために、プレスラインはパテを使って鋭く立たせているのがポイントだ。
ティアラパープルと名付けたボディカラーとは対照的に渋いガンメタのホイールは、マイスターM1Rの19インチをセット。フロント10J、リア12Jのマイナスオフセットの深いリムがワイドフェンダーの迫力をより引き出してくれている。
“なおち”さんの話では、今後はこのクルマのさらなる進化も考えたそうだが、夢のDSUチャンピオンカーになったのでひとまずは終了。次は軽ワゴンを購入して、別ジャンルでの優勝を目指そうと思っているそうである。軽ワゴンをどのように仕立ててくるのか、いまから楽しみに待っていようではないか。