カスタムのベースとして盛り上がるのはこれから
初代S30フェアレディZのデザインを継承し、そのスポーツカーとしてのフォルムがカッコ良いと評判の新型「フェアレディZ」。専用のアフターパーツも続々登場し、大いに盛り上がりを見せているが、カスタム業界は先代モデルとなるZ34/33フェアレディZの存在も忘れてはいない。むしろ新型が登場し、旧型が手ごろな価格で購入できるようになった今こそが遊べるクルマとして面白くなる。そのことを強く感じさせてくれるのが、外装パーツをプロデュースする福岡県のカスタムビルダー「KROOZ CUSTOM」が横浜ホットロッドカスタムショーに出展していたZ33ベースの「フェアレディZERO」だ。
新型「フェアレディZ」よりもS30にそっくり
エクステリアの変化は一目瞭然、そして、コンセプトについてもわかりやすい作り込み。KROOZカスタムが提案するのは、Z33をベースにした初代S30Zをオマージュして製作したフェイスチェンジキットだ。
まるで初代S30Zの再来といえるデザインは架空のモデル、想像上の幻のマシンを表現する意味で「フェアレディZERO」と名付けられた。
このキットを開発する段階では、初代S30Zのイメージではなく、実は新型フェアレディZ35のフロントマスクをオマージュするデザインで進めていたらしい。だが、実際に作ってみると、元々が似た感じのヘッドライトだったこともあり、フェイスチェンジを果たした印象が薄かった。
そこで、ヘッドライトを初代S30Z風に丸目2灯に変更させる案が浮上。フェアレディZらしさを全面押しする表情を作り出すことに成功した。
15センチ延長して絶妙のバランスに
フロントノーズについては純正バンパーと比較して約15cm延長させている。そして、よりS30Zらしさを引き出すために、ノーズ先端にエッジを強調するデザインを採用。
Z33は、エンジンのマウント位置や各補器類の都合もあって、どうしてもノーズを低く作ることが難しい。そのため、スポイラーの下にもうひとつのスポイラーを付けるダブルスポイラーデザインにすることで、より低くスラントノーズ化させる工夫を施す点も見逃せない。
フェアレディZはやはりロングノーズがポイントになるため、バンパーを含めたデザイン処理も凝っている。
フェイスキットを構成するパーツについては、フロントフェンダー、ボンネット、フロントバンパーの3点セット。ヘッドライトはオプション設定で、ハロゲンにするかLEDにするかを選んでもらうスタイルだ。
気になるフルキット価格は38万円ということ。ポン付けでZ33が魅力的なS30Zフェイスになってしまうことを考えるとお買い得といえるだろう。
昭和レトロが流行っている昨今、こうしたトリッキーなアプローチによってネオヒストリックカーっぽい表現をするのもアリだ。日産フリークの中でも特にダットサンファンにとって、このクルマは特別な輝きを放っていることだろう。
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ここで紹介したフロントフェイスキットは第1弾。これから第2弾としてリアのキット、そして第3弾としてワイドボディ化が予定されているそうだ。すべてが出揃ってから一気にカスタムするのもありだが、まずはフロントからひとつずつボディキットを装着してカスタムしていくのもありだろう。