高知に集結したヒルクライマーをチェック
完全クローズされた峠道を1台ずつタイムアタックするヒルクライムイベントが日本各地で開催されている。そのうちのひとつ、「てっぺんヒルクライムin大豊2023」が2023年4月9日(日)に開催された。舞台となるのは、高知県長岡郡にある梶ヶ森スカイラインだ。
公道を完全に閉鎖して合法的に全開で走れる
今回設定されたのは、梶ヶ森スカイラインの途中からゆとりすとパーク大豊の駐車場入り口手前までの全長3.26km。このコースを2回走行した合算タイムで速さを競うというもの。ヒルクライムイベントは近年各地でさかんに開催されている。「てっぺんヒルクライム」も2017年からスタート。今回は例年の12月開催とは別に、新たに4月の開催が追加設定されたというカタチだ。
このヒルクライム競技、魅力はなんといっても公道を封鎖して開催するというところであろう。それも峠道を、である。モータースポーツイベントとして、対向車もいない山道の2車線を使って思いっきり走ることができるのだ。今回は、若干少なめの67台のエントリーとなったが、その参加者(車)を紹介しよう。
志村光則さん(アクション志村空調ヤリス)
2022年に長野で開催された「ALL JAPAN HILL CLIMB FESTIVAL in王滝」というBRIGヒルクライムチャレンジシリーズに知人から誘われて参戦。これをきっかけに、ひそかに知人に負けたくないという思いからヒルクライムにハマっているという志村さん。
「てっぺんヒルクライム」に遠征して初参戦したのが2022年12月。当日は雨であったことから、フラストレーションが溜まる一戦となってしまったということで、再挑戦をするためにエントリーした。そんな志村さんは、ダートトライアル関東地区戦Dクラスでシードゼッケン獲得しているというダートラ選手だ。ちなみにダートラにはランサーエボリューションを使用しているが、ヒルクライムにはGRヤリスで参戦。
「(GRヤリスを)ダートに下ろすにはまだもったいないからね」と語る。今回無事にリベンジとなったてっぺんヒルクライムだったが「思った以上にスピードが落ちてしまう」ということで、そのあたりの改善も含め、まだまだヒルクライムも継続していくこととなるだろう。
浅野自動車チーム(HA23V型スズキ アルトほか)
徳島にある浅野自動車の浅野浩行代表が、石川雄介選手とダブルエントリーしたのはHA23V型スズキ「アルト」。若干大きめのエアロを装着する姿は、あのパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムでも見かけるような、いかにもヒルクライムマシンという雰囲気の一台である。アルトはヒルクライム用というよりは、年間4戦開催されている阿讃軽四耐久などに参戦をするための一台として仕上げられているという。
「てっぺんヒルクライム」へは2017年の開催初年から参戦している浅野代表だが、今回は関係者合計9台で参戦となった。
「ヒルクライムの魅力は、公道を全開で走りたい走り屋が誰でも参加できること。センターラインをまたいで2車線を使い全開で走ることができるのは魅力ですね」と語る。
マジキモ・ワークス(零号機~参号機ほか)
遠巻きに見てみると、スバル「ヴィヴィオ」のオーナーズクラブの集まりか? と思ってしまうグループも参戦。話を聞いてみると、愛媛県東温市にあるマジキ・モータースというショップの常連客つながりで参戦をしているそうだ。車両名は、このうちの4台が「マジキモ・ワークス」というネーミングとなっている。
いくらマジキ・モータースというショップ名だからといって「マジキモ」というのもいかがなものかと内心思っていたが、実はこれこそがショップ名の由来とのこと。「マジ・キモいクルマばかり取り扱いしてるってことでつけられた店名がマジキ・モータースであって、マジキという名前のスタッフはいない」のだとか。
その店名の由来を聞いただけでも楽しそうなお店は、タイヤが付いていればなんでもOKのクルマ屋で、ショップはほかがやらないことをやってくれる頼れるお店ということ。走るのが好きというお客さんみんなで参戦しているという。ヒルクライムの魅力は「合法的に峠道を走れること」だとか。毎回何かが起こるのだそうだが「今回は積車を呼ばずに済んでよかった」とも(笑)