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「R32 GT-R」ではなくR31「スカイラインGTSオーテックバージョン」を選んだ理由とは? 200台の限定車はただいま慣らし中です

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TEXT: 近藤浩之(KONDO Hiroyuki)  PHOTO: 近藤浩之

櫻井眞一郎氏が率いるオーテックジャパン渾身の限定モデル「GTSオーテックバージョン」

日本旧軽車会の主催で2023年3月5日に開催された「昭和平成クラシックカーフェスティバル」。会場となったキヤッセ羽生には、約200台もの国内外の旧車が集合。中でも日産車は一大勢力だったが、今や希少なR31型「スカイライン」をグッドコンディションで乗りこなしていたオーナーを紹介しよう。

3台のオーテックバージョンから選んで購入

1988年式日産「スカイラインGTSオーテックバージョン」を8年前に手に入れた、オーナーの伴 春男さん。スカイラインGTSオーテックバージョンは、GTSをベースにオーテックジャパンが手がけた限定モデルで、レースのホモロゲーション用に発売されたGTS-Rに対して、ストリートに向けたチューニングが施されたモデルと言われている。200台限定発売の希少なモデルであるオーテックバージョンだが、伴さんが購入した8年前にはR31スカイライン専門店「R31ハウス」で3台の中から選んで購入できたそうだ。

「当時はR32のGT-Rも100万円台で、R34もタマがあったんですが、昔から欲しかったR31のオーテックバージョンが良くて購入しました。このクルマを購入したのは、好きな色だったのと、自分でやろうと思っていたインタークーラーと後ろのウイングが交換されていたのが大きかったですね。GTS-Rは400ps対応ですが、オーテックは街乗り用にトルクアップされていて、リアのブレーキが変えてあったりするので、車検証の型式にも“改”って入っているんですね。とにかく31が手に入れられて満足でした」

長く乗ることを考えたチューニングプラン

自分が満足できるクルマを手に入れた伴さんだが、さらに自分好みにするため購入後さまざまな箇所に手を入れている。その中で最も費用が掛かっているのが、エンジン関係だ。その内容は耐久性を考えて鍛造ピストン&H型のコンロッドに変更、ボーリングなどブロック&ヘッドにも手を入れ、RB26用のクランクをセット。さらにエンジンはリンクのコンピュータで制御されGT-R用の6連スロットルやGCGのタービンなどを装着した。これに吸排気などを含めると、もはや書ききれないほどの変更が加えられている。エンジン関係をイッキに仕上げてしまったのは、費用の問題と、今後も長く乗り続けたいからのようだ。

「走行距離も13万kmで、もともとはオーバーホールしようと思ってたんですけど、費用もそれなりに掛かりますし、どうせ分解するんだったら部品があるうちにやっちゃおうと思って。これからも長く乗ろうと思って耐久性も考えたパーツ選びをしました。まだ慣らし段階なんですが、ちょっとやりすぎたかなとも思っています(笑)」

* * *

エンジン関係はひと通り手を入れ終わった伴さんだが、全塗装したり履きたいホイールがあるので5穴に変更したりと、やりたいことはまだまだ残っているという。旧車を購入して、自分の好みに仕上げ長く乗るためにさまざまな部分に手をいれていく。今度はどんなところに手を入れようか、そんなことを考えているときが旧車乗りの楽しい時間なのだろう。

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