大手カー用品店の無料安全点検サービスなどを利用するのがおすすめ
もうすぐお楽しみのゴールデンウィーク(以下:GW)。2023年は長い人だと9連休という人もいるようだ。新緑の気持ちいい季節なので、ロングドライブを計画している人も多いだろうが、一日の最低気温と最高気温の温度差が大きいこの季節は、クルマのトラブルが増える季節でもある。旅先で思わぬトラブルに遭わないために、GW前にひと通り下記の部分をチェックしておこう。
タイヤ
2021年のGW、JAFの高速道路での出動理由第1位は「タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足」(全体の32.31%。一般道でも19.43%の第2位)。タイヤは遠出する前に必ず空気圧をチェックし、調整したい。これからは気温が上がっていく時期なので、運転席ドア開口部の下部分にあるシールに書かれた指定空気圧にピッタリ合せておけばOK(気温が高くなると、空気圧も自然に高くなる傾向があるが、空気圧は低いとかなり問題だが、少々高めなら支障は少ない)。ちなみに、タイヤの空気圧は、月に一度の点検が基本だ。
空気圧の調整と同時に、残り溝の深さやゴムの表面のひび割れ、傷の有無などもチェック。梅雨が近いので、溝が少なければ思い切って交換をしたい。
新品の夏用タイヤの溝の深さは、およそ8mm。保安基準の使用限度が1.6mm=2分山なので、少なくとも3分山、残り2.4mmぐらいになったら交換時期といえる。また、残り溝が多くても、装着してから4~5年経っているタイヤは、ゴムが硬化し性能劣化が心配なので、走行距離の長短にかかわらず交換したい。
そしてスペアタイヤの有無も再確認を。昨今のクルマにはスペアタイヤがないことが多いが、JAFでは、応急修理が不可能なタイヤトラブルに対応するため、タイヤの貸し出しサービス(会員限定で無料)も実施している。返却はJAFの基地に持っていくか、ディーラーなどに預ける、宅配で返却(送料自己負担)の3パターン。スペアタイヤを持っている人は、スペアタイヤの空気圧チェックも忘れずに。
バッテリー
過放電バッテリー、いわゆるバッテリーあがりもよくあるトラブルのひとつ。2021年のGW、JAFの一般道での出動理由第1位は、この過放電バッテリー。GWだけで1万6703件も出動している。
バッテリーの性能は年々向上しているが、クルマの電装品使用度も比例して増えているので、高性能バッテリーといえども平均で2~3年で寿命を迎える。しかも高性能バッテリーほど予兆なくダウンする「突然死」を迎えるので、ディーラーや大手カー用品店、ガソリンスタンドなどでバッテリーの無料点検を受け、コンディションを把握しておくのが大事だ。
キー閉じこみ、電子キーの電池交換
キー閉じこみはクルマのトラブルとはいえないが、これも発生度が高い。遠方に出かける際は、スペアキーを用意しておくと安心。また電子キーであれば、内蔵電池を1~2年サイクルで交換するのも忘れずに。
ウォッシャー液の追加
花粉や黄砂の季節は、ウォッシャー液を頻繁に噴霧する。利用回数が増えればウォッシャー液も減るので、お出かけ前にウォッシャー液は満タンに。
オイルと冷却水のチェック
いまのクルマなら、きちんとオイルが入っていて、冷却水が足りていれば、そうそう大きなトラブルにならない。逆にいえば、オイルや冷却水が漏れて、不足していると大きなトラブルになりやすいので、ウォッシャー液の点検・補充でボンネットを開けたついでに、オイルの量と汚れ具合、冷却水の量だけは見ておこう。
ランプ類のチェック
ヘッドライト、テールランプ、ブレーキランプ、バックランプ、ウインカー、スモールランプ、ナンバー灯などが、きちんと点灯・点滅しているかどうかも一通りチェックが必要。街を走っていると、意外にライトが球切れのまま走っているクルマを見かけるはず。普段自分ではなかなか気がつきにくいので、お出かけ前に二人一組(車内と車外にひとりずつ)になって、ランプ類の点検を。
ワイパーゴムの交換
ワイパーのゴムも1年に一度が交換の目安。梅雨を迎える前、GWのタイミングで新品に交換しておくと、雨が降っても視界良好だ。ワイパーを動かしたときに、少しでも筋が入ったり、ビビリ音がするようなら、高い部品ではないので即交換。
エアコンのフィルター
エアコンのフィルターも1年・1万kmが交換の目安。GW前には、たくさんの花粉をキャッチしてくれているはずなので、交換するならGW前がベストかもしれない。
ガス欠対策
最後にガソリンについて。
セルフスタンドが普及して久しいが、いまだにフルサービスのスタンドしか利用したことがない人もいるようだ。しかし、出先にフルサービスのスタンドがあるとは限らないので、GW前にセルフでの給油方法をマスターしておくこと。「軽自動車に軽油」を入れるなど、燃料入れ間違いは大トラブルになるので、油脂の確認、給油方法の確認を今一度。レンタカーやカーシェアリングをする人はとくに重要だ。
また、地方ではガソリンスタンドの閉店時間が早かったり、ガソリンスタンドの過疎化が進んでいるところがあるので、給油は早めに。高速道路上では、原則50kmごとにSAがあり給油可能だが、なかには100km以上SAがない区間や、夜間はガソリンスタンドが閉店しているSAもあるので要注意。ちなみに高速道路のJAF出動理由第2位は燃料切れ(2021年は全国で6905件)
じつは身近なトラブルでもあるので、燃料計の残量が半分を切ったら、次のガソリンスタンドで満タンにしておくぐらいの心構えでちょうどいい。
その他、気になること、振動、匂い、異音などがあれば、ディーラーや整備工場に持っていくこと。またメカに詳しくないという人は、大手カー用品店の無料安全点検サービスなどを利用するのがおすすめだ(事前に予約するのが望ましい)。