大型犬のために選んだハイエース
旧車が大好きで、便利に使えるトヨタ「ハイエース」を街道レーサーテイストでカスタムしたという笑七さん。チーム名は黒鯱連合、てっきりイカツイ雰囲気の方の愛車だろうと思いきや、小柄な女性オーナーだったから驚きだ。
街道レーサーテイスト満載!
それにしても渋い仕上がりの3型前期ハイエース。見る人が見れば伝わる独特のノリを持っている。街道レーサーテイストとして表現する箇所は、チンスポ、ダックテール、スリットスポイラー、オーバーフェンダーといった外装パーツが中心。
チンスポとはフロントスポイラーの先端に付けるリップスポイラー的なパーツ、そして、ダックテールとはルーフにベタ付けして後方を跳ね上げ、アヒルのクチバシのような形状にしたウイングのこと。スリットスポイラーとはリアバンパー下に取り付けるウイングのような形のパーツのことだ。もはやオーバーフェンダーは説明する必要はないだろう。どのパーツも街道レーサー乗り定番のアイテムになっている。
ハイエースでありながらも昭和の不良テイストを感じさせるパーツをリリースするのは大阪にファクトリーを構えるBEECASだ。笑七さんもこのメーカーが手掛けるパーツには注目していて、その作りが自分のスタイルに合っているとお気に入りだ。
走り屋と単車乗りに愛されたビーキャス
ちなみにこのBEECAS(ビーキャス)と聞いてピンとくるなら単車好きでもあるはず。実はこのブランド名は、昭和の走り屋の間で一世風靡した名門ブランドBEETが作った傑作ホイールBEETキャストホイールをリスペクトするメンバーが立ち上げたブランドでもある。
BEETキャストだから通称ビーキャスと呼ばれ、70年代から80年代の走り屋、そして、ヤンチャな単車乗りには特に愛されたモデルだった。そのわかりやすさもあって、新たな四輪ブランドとして、当時のテイストを感じさせるパーツを展開。BEECASは他のハイエースブランドにはない、独自テイストのパーツを様々な形で生み出している。
中でも人気のパーツは、笑七さんの愛車にも履かせている当時のBEETキャストホイールを4輪用17インチホイール用としてデザインしたBEE-IIホイールで、単車乗りが多いハイエースオーナーの間でヒット商品になっている。
また、当時のBEETは単車のサイドに取り付けるカバーをアルフィンカバー(アルミ製)に交換するのが流行っていた。中でもBEETアルフィンは当時も今も旧車単車乗りの定番アイテムとして人気が高い。
そんなアイテムをBEECASでは、独自の発想でリメイクをかけ、燃料コックフタとして再現。今回紹介しているハイエースにも取り付けられていた。
カラーリングはブラックマイカと思いきや、部分的にオーロララメを入れているのも笑七さん所有のハイエースのポイント。オーナーのこだわりはとても強く、見えない給油口までラメ塗装を加える凝りようだ
車高もかなり低いが、これは流行のエアサスではなく、生足こと車高調キットにするのもこだわり。置いた姿も走っている姿もカッコ良くを作り込むことが笑七さんのカスタムする上でのテーマでもあった。