MC20チェロは空力に優れたボディデザイン
展示されたもう1台はMC20のスパイダーともいうべきチェロ(Cielo。伊で空の意)です。2022年5月に発表され、今回のAUTOMOBILE COUNCIL 2023が日本国内での初お披露目となりました。2020年に発表されたMC20は、ホモロゲーションモデルとして2004年に登場したMC12の後継と位置付けられていて、MC12がレースに参戦するためのホモロゲーションモデルだったのに対して完全なロードカーとなっています。
MC(マセラティ・コルセ=Maserati Corse。伊でマセラティ・レーシングの意)のネーミングを継承したハイパフォーマンスモデルは、マセラティが22年ぶりに独自開発し、ネットゥーノ(Nettuno。伊で海王星の意)と命名した3L V6ツインカム(V6だから4カム)ツインターボエンジンをミッドシップに搭載。F1GPなどでも広く採用されているプレチャンバー(副燃焼室)システムを採用したエンジンのパフォーマンスは、最高出力630psと発表されています。
2シーターのクーペ・ボディはFCAチェントロ・スティーレのクラウス・ブッセがデザインし、本社のあるモデナで生産されていて100%メイド・イン・モデナを標榜しています。ちなみにレーシングカーのコンストラクターとして成功を収めたダラーラ社が開発に携わり、空力に関しては同社の風洞設備を使って研究が続けられた結果のデザインとなっていて、ウイングやスポイラーなどを追加することなく空力に優れたボディデザインとなっています。
またバタフライドアを採用したのは、マセラティとして初めてでしたが、このMC20チェロもバタフライドアを継承。ガラスを使ったルーフがデタッチャブル式となっていて、マセラティでも『スポーツ性とラグジュアリーの完璧な融合を実現した』としています。今回のAUTOMOBILE COUNCILにおけるマセラティ ジャパンのブース展開はミストラル スパイダーとMC20チェロ。たった2台だけの展示となりましたが、テーマである『マセラティ・スパイダーの歴史』を十分に訴求した演出だと印象付けられました。