この個体に惚れこみ長い時間をかけてようやくオーナーに
低重心でシンメトリカルな水平対抗エンジンと四輪駆動の組み合わせは、最新のスバル車まで一貫して採用され続けてきた伝統のレイアウト。そんな技術オリエンテッドな歴代のスバル車には、スバリストと呼ばれる熱心なファンも多い。その「スバルAWD」のルーツと言える初代レオーネ4WDとなれば、スバリストならずとも大いに気になる1台だ。
「もともとこのクルマに出会ったのはネットオークションでした。そのときは縁がなくて手に入れられなかったのですが、車両自体の居場所はわかっていたので、“もし手放すことがあったらお声がけを”と言いながら、長い時間をかけてその日が来るのを待っていました」
と語るムラムラさん。その甲斐あって10年ほど前、ついに手元にやってきたのがこの1台というわけだ。
スバルのエンジニア高橋三雄さんのサインも
リアのサイドウインドウにはムラムラさんの生業である屋号のシールが貼ってあるが、「もちろん洒落です。たまに営業に使うこともなくはないですが、基本的には温存してます(笑)」
ボンネットを開けてもらうと、低い位置に収まった水平対向エンジンの上に収まったスペアタイヤとエアクリーナー。この時代のスバル車の見慣れた光景だが、見るとエアクリーナーにはかつてスバルの技術本部で活躍したエンジニア、高橋三雄さんの直筆サインが。「今から10年ほど前、あるイベントでお会いして書いていただいたサインです」とのこと。
知らない人が見ればただの古いライトバンかもしれないが、ヒストリックカー好きやスバリストから見ればまさに宝石のような、ムラムラさんのレオーネ4WDエステートバンなのだ。