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1930年式「ベントレー」と2016年式「トヨタハイブリッド」の共通点とは? 富士スピードウェイホテルのベランダから24時間耐久レースを観戦しよう!

富士モータースポーツフォレストブースに展示されていた、ベントレー4 1/2LとトヨタTS050 HYBRID

5月27~28日に富士24時間耐久レースが開催

今回も盛況だったAUTOMOBILE COUNCIL 2023では、自動車メーカーや輸入車のインポーター、ヘリテージカーの販売店など、ヒストリックカーをはじめとしたクルマを販売する企業以外にも、興味深い出展をしたブースが数多く見受けられました。“プレミアムライフスタイル”という括りの中で目立っていたのは、富士モータースポーツフォレストでした。

ル・マン24時間の100周年を記念して展示

先ごろニュースで報じられていましたが、「富士モータースポーツフォレスト」はトヨタ自動車が富士スピードウェイなどとともに進めてきたプロジェクト。富士スピードウェイ一帯にモータースポーツを起点とした街づくりを行っていくという。

今後このプロジェクトを推進していく新会社を設立し、富士スピードウェイも完全子会社としてこの新会社の傘下に入るというもので、その新会社、富士モータースポーツフォレスト株式会社が今回のAUTOMOBILE COUNCIL 2023にブースを出展していました。展示車両は1930年式のベントレー4 1/2と2016年式のトヨタTS050 HYBRID。2台の共通点は、今年100周年を迎えるル・マン24時間レースです。

第6回大会を制したベントレー4 1/2L

ベントレーは1923年に行われた第1回大会に出場した唯一の英国車、#8ベントレー・3Lスポーツは4位入賞。翌24年の第2回大会では#8ベントレー・3Lスポーツが見事優勝を果たしています。さらにベントレーは1927年の第5回大会から30年の第8回大会まで破竹の4連勝を飾り、ル・マン100周年の序盤では、欠かすことのできない主役となっています。

そんなベントレーは、2003年の第71回大会で73年ぶりの6勝を飾ったことでも大いに注目されていました。展示されていたのは1928年の第6回大会を制したベントレー4 1/2L を模したレプリカですが、磨かれた中にも当時の雰囲気を醸し出していました。

富士6時間で優勝を飾ったTS050 HYBRID

一方のトヨタは、1975年の第43大会にシグマ・オートモーティブが製作したシグマMC75に1.6Lの2T-Gにターボを装着したエンジンが搭載されていたのがル・マン“事始め”でした。ちなみにこの時のドライバーは鮒子田寛/高橋晴邦とトヨタ系の2人で、シグマは現在、SUPER GTにトヨタのサテライトチームとして参戦しているサードの母体でもありました。

その後、1980年にはトムスや童夢とジョイントして童夢セリカを走らせていますが、トヨタとして本格的な参戦を始めたのは1985年から。最初は童夢が製作するグループCカーにトヨタ製のエンジンを搭載する格好でしたが、次第に開発の主体がトヨタに移管されていきました。

そしてグループCからLM-GT1、LMP1、と参加カテゴリーが変わりながらも参戦を続けていきますが、2位入賞は何度もあったもののどうしても優勝には手が届きませんでした。しかし、2016年シーズンに向けて開発したTS050 HYBRIDで参戦した2018年のル・マン24時間で悲願の初優勝を飾ることになりました。そして2022年まで5連勝を達成しています。

展示されたTS050 HYBRIDは2016年シーズンに小林可夢偉らのドライブでル・マン24時間レースを2位で走り切った#6号車で、同年の世界耐久選手権(WEC)シリーズ戦の富士6時間で見事優勝を飾っています。1930年式のベントレーと並ぶと同じル・マン24時間参戦車両とは思えませんが、それがレースの進化、そして歴史なのでしょう。

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富士モータースポーツフォレストの核となる富士スピードウェイでは2023年5月27~28日に富士24時間耐久レースが、また9月10日にはWECシリーズ戦の富士6時間が開催予定となっています。富士スピードウェイホテルに宿泊し、ベランダからレースを観戦。またホテルに併設された富士モータースポーツミュージアムで耐久レースの歴史に浸る……。これまでとは違ったレースを楽しむのも一興ではないでしょうか。

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