同じ形のミニだけで深甚かつ広大な世界が広がっている
モデルライフ後期には、車名が単に「ミニ」となったが、もともとは英国民族資本系の自動車メーカー(の集合体)、ブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)が1959年にデビューさせた「モーリス・ミニ・マイナー」と「オースチン・セブン」がミニの始まり。この関係を国産車で例えるならば、2代目トヨタ「パブリカ」とダイハツ「コンソルテベルリーナ」のような、いわゆるバッヂエンジニアリング車。
そしてノーマルのモーリス/オースチン・ミニに対し、F1コンストラクターとして名を馳せたジョン・クーパーが開発に携わったのが「ミニ・クーパー」で、チューニングの度合いによってクーパーとクーパーSがあり、国産車で例えるならば、量販仕様の「スカイライン」1800GLと上級グレードの2000GTとレース上等の2000GT-Rみたいな関係で……なんて情報も蛇足だろうが、ともあれ。
蘊蓄無用、事前情報なしでいきなり乗っても、その小気味よい独自の運転感覚が楽しいミニ。そして歴史をひもとけば誕生から終焉まで、まるで大河ドラマのようなヒストリー。モータースポーツでの活躍とドラマチックなエピソードの数々。さらには現実的な維持費まで含め、ヒストリックカーとしての間口の広さと懐の深さ。
オーナーの高橋さんでなくとも、ヒストリックカー趣味が「ミニに始まりミニに終わる」というファンが多いのも、むべなるかな、である。