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フィアット「600ムルティプラ」をDIYで移動カフェに改造! 2年かけてカスタムした移動販売車の使い勝手は?

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一

秩父エリアの地域おこしイベント「ミナノはミラノ 勝手にイタリア祭」

2023年3月25~26日、埼玉県秩父郡皆野町にある味噌工場の敷地にたくさんのイタリア車たちが並んだ。「ミナノはミラノ 勝手にイタリア祭」という地域おこしイベントで、アルファベット表記でもカタカナ表記でも1文字違いとの言葉遊びから開催されたのだ。クルマの展示をメインに、工場内にあるホールでは、オペラ歌手のピアノ弾き語りや、ラテン音楽のコンサートも。ワインやチーズといった発酵食品の文化があるイタリアに対して、日本古来の調味料である「醤」作りのワークショップなど、展示車両だけでなく皆野町とイタリアの文化を多彩に楽しめるイベントとなっていた。

新旧イタリア名車たちのなかに、小さく可愛い初代ムルティプラ

「ミナノはミラノ」の会場には、ランボルギーニ「カウンタックLP400S」やアルファ ロメオ「ジュリエッタSZ」、フィアット・アバルト「124」といったヒストリックモデルから比較的新しい916系のアルファ ロメオ「スパイダー」などといった新旧のイタリア車が展示されるなか、ひときわ小さくかわいらしい1台のフィアット「600ムルティプラ」が佇んでいた。

1955年にデビューしたフィアット「600」の派生モデルとして、翌1956年にデビューした初代ムルティプラ。フィアット600のシャシーをベースとした3列シートに6人乗りで、当時はタクシーにも数多く使われていたという。ミニバンの元祖ともいえる画期的なクルマだったのだ。

この初代ムルティプラは1967年式で、イベント参加者の展示車両ではなく、じつはコーヒーの移動販売車。淹れたてのコーヒーを味わおうとたくさんの人が傘を差して順番を待っていた。

長年の夢だった移動カフェ、意外とムルティプラなら実現できる!?

フォルクスワーゲン「タイプ2」、通称ワーゲンバスを3台乗り継いできたという店主の谷内 隆さん。次は小さなクルマに乗りたいとフィアット「500」を探していたところ、2009年、旧いフィアットを専門に扱う静岡のショップ「スティルベーシック」でこの600ムルティプラに出会ったのだった。

購入してからしばらく、ムルティプラを普段の暮らしの足として使っていた谷内さんだが、ふと、ワーゲンバスに乗っていた頃に「バスで移動販売をしたい」と夢見ていたことを思い出した。

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移動販売車とするには、販売窓の開閉方法など、保健所が定める衛生法のルールに則った仕様へと変更する必要があった。ワーゲンバスでは大がかりな改造を行わなければ不可能だったこともあり、当時は断念していた。

ところが、このムルティプラの特徴的なレイアウトは好都合だった。3列シートを取り外せば意外とフラットな室内空間が確保できることや、後席ドアが大きく開口することもあり、オリジナル状態を損なう改造は最小限に抑えられそうだと気づいたのだった。

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