2023年シーズンのゼッケン1は名門チーム
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT500クラスはトヨタ/ニッサン/ホンダの3メーカーがしのぎを削っている。今シーズンはトヨタ「GRスープラ」が6台、ニッサン「フェアレディZ」が4台、ホンダ「NSX」が5台参戦している。今シーズンを戦う15台のなかから、今回はチャンピオンの証であるゼッケン1を付けた、「マレリ インパル Z」を紹介しよう。
2022年はドライバー/チームの両方で戴冠
往年の名ドライバー、星野一義が1983年に設立したホシノレーシングを母体とするチームだ。2003年のフォーミュラニッポンでドライバー部門/チーム部門のタイトルを獲得したほか、その後も2008年まで6年連続でチーム部門を制覇。一方、GTレースにおいても、ニッサンの有力チームとして黎明期より活躍しており、1995年の全日本GT選手権で影山正彦がGT1クラスで2連覇を達成したほか、スーパーGTにおいても常に上位争いを展開してきた。
なかでも、素晴らしい飛躍を遂げたのが2022年シーズン。スーパーGTで平峰一貴/ベルトラン・バケットが第5戦の鈴鹿を制したほか、コンスタントにポイントを獲得した結果、ドライバー部門/チーム部門で二冠を達成したことは記憶に新しい。
このようにTEAM IMPULは名門復活をアピールするかのように、27年ぶりにGTレースで頂点に返り咲いたが、その勢いは2023年も健在である。ドライバーは平峰/バケットのチャンピオンコンビを継続し、ふたりのコンビネーションは抜群である。
マシンは2年目で熟成が進むニッサンZ
さらに主力モデルとなる「ニッサンZ GT500」は文字どおり、フェアレディZのシルエットを持つマシンだ。空力性能の向上により、「ニッサンGT-R GT500」よりトップスピードが向上したほか、2000ccの直列4気筒ターボであるNR4S21型エンジンも進化。2022年には同モデルが計3勝をマークするなど、デビューイヤーから猛威を振るった。参戦2年目を迎えて熟成が進んできただけに、2023年もTEAM IMPULを筆頭にZ GT500を投入するニッサン勢がトップ争いを左右するに違いない。
チャンピオンナンバーを背負うTEAM IMPULはニッサン勢のなかで、唯一ブリヂストンタイヤを装着するチームだが、開幕戦の岡山で苦戦の展開。土曜日の公式練習で13位に沈んだほか、午後の予選でもQ1で敗退してしまい、12位と低迷していた。しかし、決勝では粘り強い走りを披露し、6位に入賞。6列目からのスタートにも関わらず貴重な5ポイントを獲得したことからも、2連覇に挑む同チームの強さが窺えることだろう。
コンディションが噛み合えば、予選からトップ争いをできる実力を持つほか、決勝も巧みなレースオペレーションを持つだけに、2023年もTEAM IMPULがタイトル争いを左右するに違いない。