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「ガルフ」と「ロスマンズ」のポルシェが登場! オートモビルカウンシルの会場をザワつかせた2台のル・マンカーとは?

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了

往年の2台がオートモビルカウンシル2023に登場

「クルマを超えて、クルマを愉しむ。“Classic Meets Modern and Future”」をテーマに開催されたAUTOMOBILE COUNCIL 2023。国内外の自動車メーカーやヘリテージカー販売店の出展に加えて、主催者の用意した2つの企画展、ポルシェ911の60周年を記念した「初期ナローからカレラ GT まで」と、エンツォ・フェラーリの生誕125周年を記念した「フェラーリ・スペチャーレ」など見所も多く、取材する立場でありながら、個人的にも十分に楽しめたイベントとなりました。なかでも最も感激したクルマがこの2台、Gulf  Porsche 917とRothmans Porsche 962の2台です。この2台の活躍を振り返ります。

1970年代最初のモンスターマシンだった917K

Gulf  Porsche 917は、国際メーカー選手権での活動を休止したポルシェ・ワークスから依頼されてワークス“格”で1970年のメーカー選手権に参戦した、ジョン・ワイヤー率いるJWA(JWオートモーティブ・エンジニアリング)の主戦マシン。

前年、ワークスが使用していたショートテール版を発展させたモデルで、左右のフェンダーをテールに向けて跳ね上げたテールエンドのセンター部分にウイングを装着した917Kと呼ばれるモデルです。ちなみにKはKurz(クルツ。独で短いの意)の頭文字で、前年のショートモデルに対してダウンフォースが大きく引き上げられた、と言われていました。ポルシェ917K

エンジンは1968年シーズン用にポルシェが開発していた908用の水平対向8気筒エンジンに4気筒を追加した格好で開発されたフラット12の912/45ユニット……厳密に言うなら水平対向ではなく180度V型の12気筒エンジンで、長いクランクシャフトの中間からパワーを取り出すセンターテイクオフ式を採用していました。

パワー的にみるとデビューした1969年シーズン当初には4494cc(ボア×ストローク=85.0mmφ×66.0mm)の排気量から540HPを発生していましたが、1970年シーズンには4907cc(ボア×ストローク=86.0mmφ×70.4mm)に排気量をアップして最高出力も560HPにまで引き上げられていました。それまでのポルシェの競技車両と同様に鋼管で組み上げられたスペースフレームに空冷フラット12エンジンを搭載し、前後のサスペンションはダブルウィッシュボーン式でベンチレーテッドのブレーキローターが装着されている、1970年代最初のモンスターマシンでした。

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