クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • フェラーリより高価で歴史のあるブガッティとはどんなブランド? エンツォが参考にしたのはビジネス手法でした
CLASSIC
share:

フェラーリより高価で歴史のあるブガッティとはどんなブランド? エンツォが参考にしたのはビジネス手法でした

投稿日:

TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/村田尚弥/山口賢二/BUGATTI

戦前のレースで活躍したブガッティ

数ある自動車メーカーの中でも、ブガッティはひときわ特別な存在だ。というのも、ブガッティの歴史は古く、1909年にフランスのモルスハイムで誕生し、超高性能スポーツカーおよび超高級車ばかりを生産していたからである。いまとなっては7億円もするクルマを少量生産するハイパーカーブランドといった印象だが、実は老舗メーカーなのだ。

エンツォ・フェラーリが参考したブガッティの手法

戦前のブガッティが送り出していた超高性能でエレガントなスポーツカーは、富裕層の顧客から支持され、レーシングモデルがグランプリや公道レースで大活躍。王族に売るために設計した超大型のラグジュアリーカーを少量生産したことでも知られている。

初期のブガッティは創始者であるエットーレ・ブガッティ(イタリア・ミラノ出身)に気に入られた顧客のみに限定数を販売していたことから、庶民のオーナーは皆無。そのマーケティング/ビジネス手法はフェラーリの創始者であるエンツォ・フェラーリが参考にしたといわれている。

約100年前のクルマとは思えない素晴らしい走りでギャラリーを楽しませた

2022年11月24日~27日の日程で開催された「クラシックジャパンラリー2022 門司」には、1925年式のブガッティ T35A、1926年式のブガッティ T35A、1926年式のブガッティ T37、1926年式のブガッティ T37A、1926年式のブガッティ T13 ブレシア、1927年式のブガッティ T35B、1928年式のブガッティ T37という7台が参加。約1000kmのコースを4日間で走破した。

60本も用意されたPC競技(計測は路面に設置されたスタートラインを前輪が通過した瞬間に開始され、コ・ドライバーが秒数をカウントしながらゴールラインを目指す)で総合成績のトップとなったのは、トータルポイント64781.25を獲得した1926年式のブガッティ T35A。約100年前のクルマとは思えない素晴らしい走りでギャラリーを楽しませてくれた。

「クラシックジャパンラリー2022 門司」に参加した1925年式ブガッティ T35A

今後は電動化パワートレインを採用するなど深化を続ける

エットーレ・ブガッティが1947年に亡くなると、超高性能なスポーツカーおよび王族をターゲットにしたような超高級車ばかりを生産、デリバリーする事業は終わりを告げ、航空機用のエンジンを細々と生産する日々が続いた。

しばらくの間、新車を販売する自動車メーカーとしてのブガッティの名は自動車史から消えていたが、1987年にイタリア人事業家のロマーノ・アルティオーリがブガッティの商標を手に入れ、モデナにブガッティ・アウトモビリを設立。ハイパフォーマンスカーであるEB110の生産を開始した。しかし、過大な投資のために財政が破綻し、残念ながら1995年に倒産してしまった。

その後、1998年にフォルクスワーゲンがブガッティ・アウトモビリから商標権を買い上げ、2000年にブガッティ・オートモビルを設立。フランスのアルザスに本社を置いた。同社からは排気量8LのW型16気筒ガソリンエンジンを4基のターボチャージャーで過給し、最高出力1001ps発生するパワーニットを積んだハイパーカーのヴェイロン(2005年発売)を生み出す。その後は後継モデルであるシロン(最高出力1500ps/2016年発売)、シロンの派生モデルであるディーヴォ(40台限定/2019年発売)などがリリースされた。

現在は、W16ミストラル(最高出力1600ps/W型16気筒ガソリンエンジンを搭載する最後のロードゴーイングモデル/99台限定/完売)の生産と納車を2024年から開始するとアナウンスしており、今後はパワートレインをハイブリッドに変更するそうだ。電動化が進んだとしても、エットーレ・ブガッティの思想を受け継いだ究極かつアイコニックなクルマづくりが途切れることはないだろう。

すべて表示
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS