オレンジの車体色がトレードマーク
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT500クラスはトヨタ/ニッサン/ホンダの3メーカーがしのぎを削っている。今シーズンはトヨタ「GRスープラ」が6台、ニッサン「フェアレディZ」が4台、ホンダ「NSX」が5台参戦している。今シーズンを戦う15台のなかから、今回は8号車「ARTA MUGEN NSX-GT」を紹介しよう。
スーパーGTやスーパーフォーミュラなどトップカテゴリーに挑戦
元F1ドライバーの鈴木亜久里とオートバックスのコラボレーションにより、1997年に若手ドライバー育成のプロジェクトとして設立。1998年から2008年にかけてフォーミュラニッポン/スーパーフォーミュラで活躍していた。
GTレースにおいてもニッサン「スカイラインGT-R」を武器に、1998年から全日本GT選手権・GT500クラスへの参戦を開始しており、2000年にはホンダNSXに主力モデルを変更。2007年には伊藤大輔/ラルフ・ファーマンがドライバー部門でチャンピオンに輝いたほか、ARTAがチーム部門でもタイトルを獲得した。
また2001年からはGT500クラスと同時に、GT300クラスへの参戦も開始。2002年にはトヨタ「MR-S」をドライブした新田守男/高木真一がドライバー部門でチャンピオンを獲得している。
2023年シーズンから2台体制に
まさにARTAはスーパーGTにおいても名門チームとして定着。野尻智紀/福住仁嶺で挑んだ2022年は残念ながら未勝利に終わったが、新体制となった2023年はさらなる飛躍が期待できそうだ。
まず、昨年まで16号車として参戦していたTEAM Red Bull MUGENがARTAとして参戦するようになり、GT500でのエントリーが2台体制に拡大。参戦パートナーは、TEAM Red Bull MUGENを運営していたM-TECで、技術力が高いだけにマシンの進化が期待されている。
しかも、8号車に関してはスーパーフォーミュラでも活躍する野尻に加えて、若手ドライバーの大湯都史樹が新たにチームへ加入。両ドライバーともに抜群のスピードを持つだけに、予選からトップ争いを左右することになるだろう。
同チームの主力モデル、「NSX-GT」もラストイヤーを迎えているだけに完成度が高く、8号車は3月初旬に鈴鹿サーキットで行われたメーカーテストで、コースレコードを上まわるタイムをマークしている。
それだけに開幕戦の岡山でも8号車の躍進が期待されていたのだが、土曜日の公式練習では7位に留まったほか、午後の予選も7位で終了。それでも翌日の決勝では粘り強い走りを披露し、ホンダ勢の最上位となる3位に入賞している。ポディウムフィニッシュを果たすことでチームとしての強さを証明しただけに、2023年はタイトル争いを左右する存在となりそうだ。