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フェラーリ「308」が4000万円オーバー!? 高額落札の理由は「ヴェトロレズィーナ」だったからでした

フェラーリ「308」が4000万円オーバー!? 高額落札の理由は「ヴェトロレズィーナ」だったからでした

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

これまでの308GTBの市場価格を大きく上回るプライスで落札

かつては比較的リーズナブルな価格で推移していたことから、フェラーリ308GTB/GTSは“フェラーリ入門篇”として、ビギナーにとっても手の届きやすいモデルだった。ところがネオクラシックから真正クラシックカーの域に足を踏み入れた近年では、相場価格もじりじりと上昇しているようだ。そんな市況のもと、北米フロリダ州シー諸島アメリア・アイランドを舞台に毎年3月に開催される大規模コンクール・デレガンスに付随して、今年もRMサザビーズ北米本社の主導によって“AMELIA ISLAND”オークションが大々的に開かれたのだが、その競売に出品された308GTBが、注目すべき落札価格をたたき出した。

もっともマーケット評価の高い308GTB、ヴェトロレズィーナとは?

1975年のパリ・サロンにてデビューしたフェラーリ308GTB。その最初の数年間に製作されたモデルは、フェラーリ製ストラダーレ(ロードカー)としては特異なFRP製のボディを持つ。そしてこのFRP製の308GTBのことを、イタリアでは「Vetroresina(ヴェトロレズィーナ)」の愛称で呼ぶ。

「ヴェトロ」とはガラスのこと。そして「レズィーナ」はレジン、樹脂を意味する。つまりガラス繊維を樹脂で固めた「グラスファイバー」をそのままイタリア語とした、実は意外なほどにストレートなニックネームなのだ。

ボディの架装は、当時フェラーリ社の傘下に収まったばかりのカロッツェリア・スカリエッティが担当することになる。ところが、当時イタリアで吹き荒れていた労働争議のあおりを受けて、開発段階で使用を予定していたスチール製ボディパネルの生産が間に合わなくなる可能性が高まっていたため、発売当初はマラネッロ製ストラダーレとして初めての経験となるFRP製ボディが架装されることになったとの由。しかし、実際に308GTBの生産が軌道に乗ったのち、1977年6月以降の生産分は順次スチール製に置き換えられることになった。

ちなみにスチール化された当初は、公称データの車両重量は不変とされていた。しかし実際のヴェトロレズィーナの車重は約1100kgだったのに対して、スティールボディ車両は150kg~200kgほど重くなったといわれているようだ。フェラーリ308GTBヴェトロレズィーナ

現在の国際クラシックカー・マーケットにおいては、308GTBシリーズの中でもスティールボディ+インジェクションの「308GTBi」のマーケット相場価格は比較的安価で、スティールボディ+キャブレター仕様の「308GTB」と、気筒当たり4バルブヘッドを与えられた最終型「308GTBクワトロヴァルヴォレ」がそれに次ぐ相場感となる。

それに対して「ヴェトロレズィーナ」は、多くの場合で最も高価な308GTBと見なされているのだが、今回のオークションでは、これまでにもまして高い評価が下されることになったのだ。

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