長年スーパーGTに参戦する名門チームのひとつ
日本を代表するGTレースとして、海外でも人気の高い「SUPER GT(以下、スーパーGT)」。GT500クラスはトヨタ/ニッサン/ホンダの3メーカーがしのぎを削っている。今シーズンはトヨタ「GRスープラ」が6台、ニッサン「フェアレディZ」が4台、ホンダ「NSX」が5台参戦している。今シーズンを戦う15台のなかから、今回は19号車WedsSport ADVAN GR Supraで戦う「TGR TEAM WedsSport BANDOH」を紹介しよう。
第3戦以降の巻き返しに期待!
1990年に設立されたRACING PROJECT BANDOHを母体とするチーム。全日本ツーリングカー選手権で活躍したほか、1997年より全日本GT選手権への参戦を開始し、デビューイヤーながら織戸 学/福山英朗がGT300クラスでドライバー部門を制覇した。その勢いはスーパーGTでも健在で、2009年には織戸 学/片岡龍也がGT300クラスでドライバー部門を制し、チーム部門と合わせて二冠を達成している。
2011年からはレクサス勢の一角としてGT500クラスへの参戦を開始し、2016年の第7戦・タイで、GT500クラスでの初優勝を獲得。その後も予選でトップタイムをマークするほか、表彰台を獲得するなどつねにトップ争いを展開してきた。残念ながら2022年は目立った活躍を果たせずにポイント争いでも、ドライバー部門/チーム部門ともに11位で終わったが、2023年はさらなる飛躍が期待されている。
まず、2016年のスーパーフォーミュラでチャンピオンに輝いたほか、スーパーGTでも2013年からGT500クラスで活躍しているベテランの国本雄資が引き続きAドライバーとして起用される。チームメイトには、2021年よりスーパーGTのGT500クラスへ参戦を開始した若手ドライバーの阪口晴南をラインナップ。この2人のコンビネーションは参戦2年目を迎えているだけに、マシンのセットアップに関しても、2023年はよりスムーズな連携が行えることだろう。さらに、チーフエンジニアが変更されていることから、テクニカル面で新たなチャレンジが行われるに違いない。
主力モデルは熟成を極めつつあるトヨタGRスープラで、トヨタ勢で唯一のヨコハマタイヤを装着。タイヤ面においては孤軍奮闘となるが、過去のレースを見てもわかるとおり、コンディションが合えばトヨタ勢の最上位としてレースを支配する可能性が高いことだろう。
開幕戦の岡山は予選で5位につけながらも決勝は9位、第2戦富士は決勝12位という結果に。以降はどのようなレース展開を見せてくれるのか? マシンとタイヤのマッチングとしては、SUGOなどのテクニカルコースを得意としているが、どのコースにおいても時として予選で抜群のスピードを見せるだけに、今後の飛躍に注目したい。