約3億3000万円で落札された
そのマクラーレン・スピードテールが、RMサザビーズが2023年2月に開催したパリ・オークションに出品された。同社は2021年のアリゾナ・オークションでもこのスピードテールを出品しており、この時は「036」のシャシーナンバーを持つ、走行距離がわずかに48kmという新車同然のモデルが327万7500ドル(約3億4090万円)で落札され大きな話題を呼んだ。
今回出品されたのは新車でドイツにデリバリーされたシャシーナンバー「030」。マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ(MSO)によるビスポークのボディカラー「XPグリーン」を採用しているほか、フロントのスプリッターやサイドスカート、そしてホイールのリムやスポークに鮮やかなオレンジのストライプを配したのもMSOの仕事である。
走行距離はわずかに114kmのワンオーナー。106台しか存在しないスピードテールのオーナーとなるには、このオークションは見逃せないというスーパーリッチも多かったに違いない。
RMサザビーズは、前で紹介したアリゾナ・オークションでのリザルトとの比較も十分に行ったのだろう。この2020年式マクラーレン・スピードテールに、220万~260万ユーロの予想落札価格を掲げたが、やはり予想どおり入札は白熱。最終的に236万7500ユーロ(約3億3380万円)での落札が記録された。これは一昨年のアリゾナ・オークション時の落札価格とほぼ等しく、今後もスピードテールの取引にはひとつの目安となる数字になりそうだ。マクラーレンによる究極のハイパーGT。その評価はこれからも高値安定のまま変わることはなさそうである。