イメージカラーが刷り込まれていたクルマを紹介
クルマのボディカラーは、ホワイト、ブラック、グレー、シルバーの4色だけで、全体の8割以上を占めるといわれている。多様化が叫ばれて久しいが、クルマのボディカラーを見ただけでも、多様化社会の実現にはまだまだ時間がかかりそう……。中古車ではなかなかボディカラーまでは選べないのだから、新車で買うときぐらい、自分好みの個性的なカラーを選んだ方が楽しいのに、と思うのは大きなお世話だろうか? そうした中、上記の4色以外のカラーがアイデンティティとなっていたクルマがある。ここではそうしたレアな車種にスポット当てて紹介していくことにしよう。
黄色がイメージカラーだったクルマたち
スーパーカーなら黄色が似合うクルマも少なくないが、国産車となるとかなり車種が絞られてくるが皆無ではない。まず思い浮かぶのは、ホンダ「ビート」。ピニンファリーナが一枚噛んでいるといわれるデザインはいま見ても完成度が高く、その国産車離れしたフォルムには、「カーニバルイエロー」がよく似合う。血統的に、ホンダ「S660」もイエローがマッチする一台だ。
さらにダイハツ「コペン」の初代なども、イエローのイメージがあるクルマ。社内のデザインで、山本叔弘が担当。一番売れたのは、シルバーだったかもしれないが、インパクトがあったのは、初代も二代目もジョーヌイエロー。ちなみに「ジョーヌ」はフランス語で「黄色」の意味なので、「ジョーヌイエロー」は「黄色×黄色」だった。
もう一台は、スズキ「スイフト」。スズキの四輪車のワークスカラーはイエローで(バイクはブルー)、2002年に初代スイフトでJWRCに参戦しはじめたときも、イエローを採用。初代スイフトスポーツのイメージカラーもそのまま「ブリリアントイエロー」となった。2代目スイフトスポーツからは「チャンピオンイエロー」と呼ばれている。
緑色がイメージカラーだったクルマたち
グリーンはなかなか珍しいパターン。筆頭は、S13型日産「シルビア」のライムグリーン。グッドデザイン大賞を受賞し「アートフォース・シルビア」のキャッチフレーズが与えられた未来的なスタイルには、ライムグリーンツートンがよく似合った。
それから初代マツダ「RX-7」(SA22C)の「マッハグリーン」。同じく3代目「デミオ」の「スピリティッドグリーンメタリック」も、マツダ公認のイメージカラー。3代目「ルーチェ」もグリーンのイメージがあったし、マツダはグリーン好きのメーカーかもしれない。
青がイメージカラーだったクルマたち
国産車でブルー率が高いのは、圧倒的にスバル車。ラリーカーの「555カラー」が由来と思っている人がいるかもしれないが、そもそもスバルのコーポレートカラーはブルー。スバルのエンブレムにある六連星(むつらぼし)」は、おうし座の中にあるプレアデス星団のことで、エンブレムのブルーが、夜空の部分を表現している。
スバルは1990年代に入ると、「レガシィ」や「インプレッサ」でWRCに参戦。このときタバコブランドの「555」がメインスポンサーとなり、「555カラー」で参戦。WRCでの活躍がイメージアップとなり、2代目インプレッサから、「555カラー」を模した「WRブルー」が定番に。WRブルーに、ゴールドのホイールを組み合わせると、スバルのワークスカーっぽくなってカッコいい。
スバル車以外だと、R34型日産「スカイラインGT-R」の「ベイサイドブルー」もある。スカイラインGT-Rには、R33の期間限定車「LMリミテッド」(1996年のル・マン24時間レース参戦を記念車)の専用色だった「チャンピオンブルー」というカラーも。ちなみにR32GT-Rのイメージカラーは、ガングレーメタリックで決まり!
オレンジがイメージカラーだったクルマたち
オレンジ色のクルマは、今も昔も少ないが、日産「フェアレディZ」の初代(S30)というイメージが強い。というのもハコスカGT-RのS20エンジンを積んだ、
RZ34のカスタマイズド エディションも、Z432R風のオレンジのカラーリングで話題になった。その他、初代ホンダ「シビック」のRSや、いすゞ「ベレットGT-R」などもオレンジ系のクルマと言って間違いない。
赤がイメージカラーだったクルマたち
赤いスポーツカーは、国産車でも珍しくない。例えば、ホンダ「NSX(NA1)とトヨタ「MR2」(SW20)という2台のミッドシップカーは、レッドがピッタリくるクルマだった。DR30型日産スカイラインの赤黒ツートンも懐かしい。
いまでは「ソウルレッド」がイメージカラーのマツダでは、最初のFFファミリア(5代目ファミリア)の「サンライズレッド」も大ヒットした一台だ。