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マセラティ初代「ギブリ スパイダー」が1億3600万円の高値の理由は? 70年代の少年には滋味深さがわかりませんでした【スーパーカー列伝12】

マセラティ初代「ギブリ スパイダー」が1億3600万円の高値の理由は? 70年代の少年には滋味深さがわかりませんでした【スーパーカー列伝12】

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's

生産台数の多いクーペでも総じて高値、スパイダーは超高額に

初代ギブリはデビュー当初からリトラクタブルヘッドライトが採用され、1969年にオープンモデルの「ギブリ スパイダー」が追加設定されたが、通好みの1台という印象はスーパーカーブームが終焉を迎えるまで変わることはなかった。1973年に生産終了となったが、AT仕様をチョイスできたこともあってヒット作となり、クーペ仕様が1149台生産され、スタイリッシュなスパイダー仕様は125台ほどデリバリーされた。

ギブリのクーペ仕様は生産台数こそ多いが、現在ユーズドカーとして流通している個体数は少なく、総じて高値で取り引きされている。

 

2022年3月にアメリカのフロリダ州でRMサザビーズが開催した「FORT LAUDERDALE」オークションでは1972年式ギブリSS(V8エンジンが4.9Lに拡大)が35万2000ドル(当時レートで邦貨換算約4300万円)で落札された。

なかなかのプライスだな! と驚いていたら、2022年8月にRMサザビーズが行った「MONTEREY」オークションでは1968年式のギブリ スパイダーの第1号車、シャシー&エンジンナンバー「AM115/S 1001」が出品された。1968年のトリノ・ショーにギアが出展して当時の雑誌にも掲載された個体で、99万5000ドル(当時レートで約1億3600万円)で落札されていたので、さらにビックリなのであった。なんでも2015年から2018年にかけて総額42万2000ドル(当時レートで約4600万円)かけた壮大なレストアが行われたそうなので、もはや博物館レベルの存在ということなのだろう。

いずれにせよ、初代ギブリも、安いときに買っておけばよかった……と思うクルマの最右翼なのだった。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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