生産台数の多いクーペでも総じて高値、スパイダーは超高額に
初代ギブリはデビュー当初からリトラクタブルヘッドライトが採用され、1969年にオープンモデルの「ギブリ スパイダー」が追加設定されたが、通好みの1台という印象はスーパーカーブームが終焉を迎えるまで変わることはなかった。1973年に生産終了となったが、AT仕様をチョイスできたこともあってヒット作となり、クーペ仕様が1149台生産され、スタイリッシュなスパイダー仕様は125台ほどデリバリーされた。
ギブリのクーペ仕様は生産台数こそ多いが、現在ユーズドカーとして流通している個体数は少なく、総じて高値で取り引きされている。
2022年3月にアメリカのフロリダ州でRMサザビーズが開催した「FORT LAUDERDALE」オークションでは1972年式ギブリSS(V8エンジンが4.9Lに拡大)が35万2000ドル(当時レートで邦貨換算約4300万円)で落札された。
なかなかのプライスだな! と驚いていたら、2022年8月にRMサザビーズが行った「MONTEREY」オークションでは1968年式のギブリ スパイダーの第1号車、シャシー&エンジンナンバー「AM115/S 1001」が出品された。1968年のトリノ・ショーにギアが出展して当時の雑誌にも掲載された個体で、99万5000ドル(当時レートで約1億3600万円)で落札されていたので、さらにビックリなのであった。なんでも2015年から2018年にかけて総額42万2000ドル(当時レートで約4600万円)かけた壮大なレストアが行われたそうなので、もはや博物館レベルの存在ということなのだろう。
いずれにせよ、初代ギブリも、安いときに買っておけばよかった……と思うクルマの最右翼なのだった。