VIITSのアバルト用パーツがさらなる進化を遂げる
国内最大のチューニングパーツメーカーにして、世界的にもトップレベルの規模を誇るHKS。これまで国産車のパーツを中心に開発してきたが、「アバルト595」の魅力に着目し本格的にパーツを開発。HKSとしても久しぶりの本格的輸入車用パーツが続々登場中だ。
国産チューニングの雄HKSがアバルトに注力する理由とは
HKSは自社開発自社生産が基本で、マフラーやサスペンションから電子パーツ、ターボチャージャーに至るまで、幅広く商品をラインナップしている。これまで国産車をメインにパーツをリリースしてきたが、ここに来て本格的にアバルト595用のパーツを開発し、相次いでリリースしている。
アバルト595の1.4L+ターボエンジンはパワーとトルクにあふれるのが魅力で、制御系のチューンも可能なことから、拡張性の高さも期待が持てるポイント。200psを超える出力を発生させ、シャープなハンドリングを手に入れれば、圧倒的に楽しいスポーツホットハッチになると踏んでいるのだ。
そこで新たに「VIITS」(ビーツ)ブランドまで立ち上げてしまった。この「VIITS」とはHKS の文字をバラして組み直したもので、輸入車専用パーツブランドとして新規で始めた商品ラインナップなのだ。
東京オートサロン2023では、インタークーラーやオイルクーラーキットなどの開発がアナウンスされたが、リリースはまだちょっと先になる。まずは、新たにスポーティさを増した味付けの「VIITSサスペンションR」と、既存の4本出しに加えて、2本出しのマフラーが近日登場となる予定だ。
VIITSサスペンションにサーキット志向の「R」が追加
HKS完全自社オリジナルのサスペンションは、ブラケット形状からケース長、内部パーツの設計による減衰力のプロフィールなど、すべてをアレンジできる。その強みを活かして、これまでのアバルト用サスの常識にはとらわれないアプローチで開発。極力しなやかに、街乗りの快適性とワインディングロードレベルでの楽しさにこだわって味付けをした。
VIITSサスペンションのベースモデルに対して、新たに登場する「R」はサーキット走行をメインにしつつ幅広く対応できるというのがコンセプト。
それゆえ、まず姿勢変化を抑えるためにバネレートはベースの前5kg/mm・後5kg/mmに対して、前16kg/mm・後9.5kg/mmを採用。フロントにはヘルパースプリングを装着。リアは9.5kg/mmとはいえ、バリアブルレートの最大値が9.5kg/mmという設定で、前後どちらも伸び側ストロークを豊富に取ることで路面をキャッチして離さず、数値以上に快適性を実現する。
さらにアッパーマウントは専用機構の追加でキャスター角の変更まで可能になり、ステアリングを切ったときにキャンバー角が増えるので、サーキットでのハンドリングに有利となる。リアのバンプラバーは専用シムで車高に合わせて、バンプタッチのタイミングを調整できる。ベースモデルの35万円に対して、40万円前後で2023年6~7月発売開始予定だ。