3戦連続でポイントを落としていたがプレイオフ進出に望みを繋げた
アメリカで最も人気のあるモータースポーツである「NASCAR(ナスカー)」。その3大カテゴリーといえば、「カップ」、「Xfinity(エクスフィニティ)」、「CRAFTSMAN Truck(トラック)」となる。ナスカー界で唯一の日本人オーナーチーム「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、服部茂章代表率いるチームでこのトラックシリーズに長年参戦を続けており、2018年にはシリーズタイトルも獲得している。今シーズンも、若手ドライバー、テイラー・アンクラム選手を起用し、トヨタ・タンドラでシリーズフル参戦をしている。
決勝は23番手からスタート
2022年9月の第19戦に組み込まれていたカンザス戦だったが、今季は5月の第8戦に組み込まれることとなった。この第8戦「Heart of America 200(134周/201マイル)」は、カンザス州カンザスシティにあるカンザス・スピードウェイが舞台。このカンザス・スピードウェイは、1周1.5マイル(約2.4km)、17-20度のプログレッシブバンクを持つオーバルトラックとなる。
今回のレースでは、午後12時5分からフリー走行、午後12時35分に予選、そして午後8時に決勝レースが行われる。3ステージ制のレースは、第1ステージが30周、第2ステージも30周でステージチェッカーが出され、最終ステージと合わせて全134周で争われることとなる。
HREの「#16 LiUNA! TOYOTA TUNDRA」のテイラー・アンクラム選手は、練習走行では、トップから1秒落ちの32秒092のタイム(25番手)。その直後に行われた予選でもスピードが伸びず、31秒693とタイムアップはするものの23番手タイムとなり、12列目内側からスタートを切ることになった。
決勝レースは10位でフィニッシュ
アンクラム選手はこのスタートで一気に4ポジションアップの素晴らしいスタートを切る。その後は18番手を走行し、第1ステージ残り7周で出されたコーションのタイミングでピットに戻り、4本のタイヤを交換しマシン調整を行い、コースへ復帰。第1ステージを7位で終え、貴重なステージポイントを獲得する。この第2ステージ前のステージコーションでは16号車はコース上に留まり、第2ステージは4番手からスタート。第1ステージとよく似た展開となった第2ステージだったが、終盤のイエローコーションで再び16号車はピットに戻り、第2ステージでも7位を獲得した。
もちろん、このステージコーションでも16号車はコース上にとどまったため、最終ステージのスタートポジションは3番手からリスタート。大きなクラッシュもあり、アンクラム選手は、いったんは8番手にまで順位を落とすものの、残り40周のタイミングで最後のピットインを行い、16号車に車両全体のバランスの改善を狙い大幅な変更が加えて、最後の戦いに臨み、10位でチェッカーラインを越えてこの日のレースを終えた。
レース後、アンクラム選手は次のようにコメントしている。
「僕らは、昨年9月から劇的に変化し、目標であった貴重なステージポイントもしっかりと獲得できました。来週の金曜日の夜にダーリントンに向けて勢いをつけることができてうれしく思います」
ナスカー・クラフツマン・トラックシリーズ、次戦は、5月12日(金)にサウスカロライナ州ダーリントンにあるダーリントン・レースウェイで開催される「Buckle Up South Carolina 200(147周/200.8マイル)」となる。