苦労して完成させたダイレクトイグニッションキットの効果は?
今や多くの車種で採用されているダイレクトイグニッション。始動性の向上や点火の安定など、プラグコードを用いた点火系よりも多くのメリットがあります。そんなダイレクトイグニッション化のキットを展開しているのが山梨県にあるT.M.WORKSです。全部実車で製品開発するのがT.M.WORKSのこだわり。今回NBロードスターの開発車両を探しているとのことで、縁もあって筆者のマイカーにて開発することに。今回は実際に装着し試乗してみました。
一気に進化したエンジンルームにうっとり
前回の記事で開発の様子を紹介したT.M.WORKSの「ハイパフォーマンスコイルダイレクトキット」。NA用やNB前期用をベースに、T.M.WORKSのこれまでのノウハウを生かし、細かな部分をNB8後期用に改良しました。
実際に取り付けられたエンジンルームを見ると、エンジンの中央にある点火系パーツが変わっているのでひと目で変化がわかります。新たにブラケットが新設され、カッコいいじゃありませんか! ボンネットを開けるとニヤニヤしてしまいそうです。性能には関係ないかもしれませんが、こういった「社外パーツを付けたぞ」感もアフターパーツには大事な要素と言えます。
パワー&トルクとともにアップ!
このアイテムの狙いは安定した点火の実現。これにより始動性の向上や全回転域でのパワー&トルクアップを図ることができ、さらにオーディオや車両ECUなど電子機器へのノイズも抑制してくれます。ということで、大幅なパワー&トルクアップを狙うアイテムではないのです。
しかし、実際にシャシーダイナモでテストしてみるとトルクで0.4kgm、パワーで6.7psも上がっているではありませんか! これはオーナーとして素直に嬉しいポイントです。より試乗が楽しみになってきました。
今回の結果は最高出力138.7ps、最大トルク15.9kgm。NB後期のカタログ値では最高出力160ps、最大トルク17.3kgmとなっていますが、T.M.WORKSのシャシーダイナモは少し低い結果が出るとのこと。また標高の高い富士河口湖町にあるので(町役場標高868.25m)それも数値的にはマイナス要因に働くとのこと。23万キロオーバーのノンオーバーホールエンジンで、これだけの結果が出ればオーナーとしては十分満足です。