オバフェンやストライプも子どもたちの琴線に触れた
さらに2002ターボは、いぶし銀的な存在ではあったが、見た目もカッコよかった。エクステリアもそれまでの2002シリーズとは一線を画しており、迫力あるオーバーフェンダーやエアダムスカートなどを装備。前を走るクルマのバックミラーに見えるように、あえて鏡文字(逆さ文字)で描かれた「turbo」の文字も2002ターボを語るうえで忘れることができないディテールのひとつだ。オーバーフェンダーは本来リベット留めされていたが、日本では当時の運輸省の認可が下りずにディーラー車はパテ埋めされていた。
圧倒的な動力性能を有し、1672台しか生産されなかった2002ターボは、BMWのワークスマシン等でもお馴染みの3色で構成されたストライプも外観上の特徴としていた。これも見る者に高性能車であることをすぐさまイメージさせるディテールのひとつだったといっていい。往時の子どもたちも、そのストライプを見て「ベンベのターボ、カッチョイイじゃん」と思ったのであった。
子どもたちのアイドル、いまはオジサンたちのヒーロー
いまでも数多くのファンを獲得している人気車なので、2002ターボも高値で流通しており、少し情報が古いが去る2021年1月にアメリカでRMサザビーズが開催した「ARIZONA」オークションでは1974年式BMW 2002ターボが16万8000ドル(当時のレートで邦貨換算約1740万円)で落札された。
かつて子どもたちのアイドルだった2002ターボは、いまやオジサンたちのヒーローになっているので、このぐらいのプライスで販売されていても全く不思議ではないといえるだろう。
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