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最小回転半径は3.6m! 全長は2.7m!! 時代を先取りしすぎたスズキ「ツイン」

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: AMW編集部

わずか2年で生産終了となったスズキ ツイン

スズキ「ツイン」は、2003年に発売された2人乗りの軽自動車だ。軽自動車規格の車体寸法は、全長3.4m、全幅1.4mだが、ツインの全長は2.7m超しかなかった。前後のタイヤ間のホイールベースも、同社の「アルト」が2.5m弱であるのに対しツインは1.8mであった。

1台の駐車枠に2台駐めることが可能だったスマート

2人乗りの小型車という発想では、ドイツのメルセデス・ベンツがスイスの時計メーカーであるスウォッチと共同で、「スマート」というクルマを1998年に発売している。

国際連合は、2030年には世界人口の60%が都市部に住むと推計しており、大都市への人口集中は世界的な傾向だ。そうしたなかで、ことに欧米では路上駐車が認められており、クルマが肥大化する新車開発の流れのままでは、いずれは都市部で路上駐車できる台数が限られてしまうことになりかねない。そこで、車体全長を短くしたスマートであれば、通常の駐車枠に縦横の並びを変えて止めれば、より多くのクルマを駐車させることができるとした。

それでも2人乗りという制約は、合理的な欧州の人たちにも所有の意味を理解する例は限られ、販売はそれほど伸びなかった。そこで「スマート フォー フォー」という4人乗りの車種も追加し、現在ではフランスのルノー「トゥインゴ」が、スマートと共通として売り出すことで販売が続いている。

ガソリンエンジン車とハイブリッド車が選択できたツイン

スズキ ツインに話を戻せば、ガソリンエンジン車とハイブリッド車(HV)の選択肢が設けられていた。HVを選べる点は、スマートにはない特徴といえた。ただし、HVで使われている鉛酸バッテリーは、密封式ではなく開放式というエンジン車の補器用として車載されている種類であり、走行中に希硫酸のにおいが車内に発生するといった課題も。また、2人乗りの軽自動車としては130万円前後という価格帯が、ガソリンエンジン車の廉価車種に比べ2倍以上にもなり、手の出しにくいところがあった。

ショートホイールベースで、車両重量が600kgほどという軽量でもあり、走りは俊敏で運転の面白さはあった。また、最小回転半径がたとえばアルトで4.4mであるのに対し、3.6mのツインは驚くほど小回りが利いた。

スズキ ツイン

ことに地方や郊外では、日常の買い物や通勤など1人で外出する際に十分なクルマであったはずだが、日本には4人乗りの軽自動車という存在がすでにあり、たまに仲間や知人と出かることがあるという可能性も考えると、2人乗りに割り切ったツインをあえて買うという決断ができなかった消費者は多かったのではないか。

販売がなかなか軌道に乗らず、ツインは2005年には生産と販売を終えることになる。

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