日本の軽自動車の歴史に触れることができる1日
初年度は、マツダ「AZ-1」、ホンダ「ビート」、スズキ「カプチーノ」のいわゆる「ABCトリオ」の参加台数が目立っていたそう。2年目になると、このイベント趣旨を理解した旧車オーナーたちの間で話題となり、昔の軽自動車規格である360cc車の参加が増加。そして迎えた3回目は、ABCトリオや360ccはもちろん90年代のネオクラシック車と、幅広いジャンルの軽自動車好きが大集合したのだ。
九州は「カーアイランド」と呼ばれるほど、自動車関連産業が基幹産業として定着している地域。日産、トヨタ、ダイハツという完成車メーカーの工場があり、それに付随して関連企業も多数存在する。また、基本的にはクルマ移動が生活の基本となるため、ジャンルを問わずクルマ好きが多い印象が強い。そんなこともあって各自動車博物館にとっても生唾ものの貴重な車両を一般ユーザーが大切に所有し、楽しんでいる風潮があるように見える。
それを証明するように、この第3回目も見所満載な車両が大集合。360ccクラスでは、ホンダ N360/ライフ/Z/ライフステップバン/ライフピックアップ/T360、スバル360/R2/サンバー、三菱 ミニカスキッパー、スズキ フロンテハッチなどが来場した。
一方、このイベントルールでは近代車のくくりになる90年代の車種では、今に至るトールワゴン人気を不動のものとしたスズキ「ワゴンR(初代)」や、発売当時クラシックデザインで注目を集めたダイハツ「ミラジーノ(初代)」。そのほかスラント&ショートノーズの下に隠された超前傾エンジンとデフの工夫された配置により、広い室内空間を実現したホンダ「トゥデイ(初代)」や、軽自動車規格で実用性を兼ね備えたダイハツ「ミラウォークスルーバン」、そして走りを楽しむスズキ「アルトワークス」といった個性的な車種が目立った。
そして、不動の人気のマツダAZ-1、ホンダ ビート、スズキ カプチーノも、オーナーそれぞれの趣向を表現した車種が登場。新旧さまざまな車両が集まり、かつノンレストア、レストアしても純正維持、チューニングやドレスアップなど、オーナーごとに異なる軽自動車の楽しみ方を感じ取れた。日本独自規格である軽自動車というカテゴリーの魅力が、より広く伝わるイベントだった。