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「いきなりフルチューンは必要なし!」財布に優しいチューニングポイントをステージ別に解説します

サーキット走行イメージ

最初からフルチューンの必要はなく条件に合わせて最低限のチューニングでOK

走行シチュエーションによって最適チューンは異なる

走りを気持ちよく楽しむために必要なチューニング。といってもワインディングなのかミニサーキットなのか、または本格的なレーシングコースなのかではだいぶ違う。そしてクルマも新車と使い込まれた中古車では、当たり前だが優先すべきポイントは変わる。フルノーマルでは危ないケースは当然あるし、頭でっかちになってお金を使いすぎるのもよくない。そこでシチュエーション別に「最低限ココだけはやろう」的な、安全かつ気持ちよく走るためのポイントを絞り込んで解説したい。

ミニサーキット:ガンガン攻めなければノーマルでもOK

最初は新車もしくはそれに近い新しめのスポーツカーで、走るステージはワインディングや最高速が極端に高くないミニサーキットの場合から解説しよう。結論からいえばタイヤとブレーキの残量が十分にあって、ドライバーが熱くなりすぎなければノーマルでも大丈夫だ。

30年前ならいざ知らず最近のクルマは純正タイヤの性能も悪くなく、ブレーキのペダルタッチが怪しくなれば休憩すればいいだけ。強いていえば保険のために沸点が高いブレーキフルード、ドライビングに集中する環境を作るバケットシート、それに4点式シートベルトがあれば十分と思われる。

社外のスポーツタイヤやブレーキパッド、車高調は純正を使い倒してからでいい。低年式や走行距離が多くても基本は変わらないが、タイヤの製造年週があまりにも古かったり、足まわりが抜けていたらいさぎよく新品に交換しよう。

本格レーシングコース:最低限ブレーキは強化しておきたい

次は全長が3kmを超えるような本格的なレーシングコースの場合。新車とそれに近いクルマで本気のアタックをするのでなければ、正直言ってミニサーキットとさほど大きな違いはない。ただしコースによっては1周で純正パッドがフェードすることもあるので、ブレーキくらいは強化品に交換しておいたほうが無難だ。

さらにコーナリングでもブレーキでも身体にかかるGがケタ違いなので、バケットシートと4点式シートベルトの必要性はグッと上がる。車高調は街乗りメインのスペックであっても、減衰力やスプリングのレート変更で何とかなり、最初から高額なサーキット用はいらないだろう。

それよりクルマの新旧にかかわらず注意したいのは、冷却系がノーマルで水温や油温は大丈夫かどうかだ。まずは追加メーターなどで現状を把握するか、そのクルマが得意なプロショップに相談し、必要に応じてラジエーター交換やオイルクーラーの装着、ダクト付きボンネットへの交換などで対策しよう。

安全性のためにはロールバーは推奨したい

チューニングと聞いて誰もが思い浮かべる吸排気系は、プラスになる部分は多々あれど必須というわけではない。それよりも個人的にサーキットを走るためのマストアイテムとして選びたいのは、4点式でも構わないのでフロントのロールケージだ。どんなに上手な人でも事故の可能性はゼロではなく、初心者だからこそリスクは大きいと考えるべき。重くなるとか乗降性がと否定的な人もいるが、生命とどちらを優先するかは説明するまでもない。

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まとめると、タイヤやブレーキが古すぎず残量も十分にあり、足が抜けていなければワインディング、そして比較的クルマの負荷が少ないミニサーキットであればノーマル車でも走れる。

レーシングコースならブレーキパッドを強化し、バケットシートと4点式シートベルトに加え、ロールケージの装着も強く推奨したい。冷却系はプロのアドバイスを仰ぎつつ、オーバークールにならないよう注意すること。エンジンのパワーアップや本格的な車高調、駆動系はもう少し後でも遅くない!

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