クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CAR
  • 羽根付き「ポルシェ911」を買う最後のチャンス!? 還暦前オヤジの「清水の舞台から飛び降りる」妄想編【役物911長期レポ】
CAR
share:

羽根付き「ポルシェ911」を買う最後のチャンス!? 還暦前オヤジの「清水の舞台から飛び降りる」妄想編【役物911長期レポ】

投稿日:

TEXT: 為出 元基(TAMEIDE Motoki)  PHOTO: Motoki Tameide/Porsche AG/AMW編集部

買えもしないが、現代の新車購入事情を聞いてビックリ

ところで、何十年も新車などと縁がない筆者は、今どきのポルシェの新車購入事情を聞いて驚いた。GT系モデルの新車は世界的に大変な人気で、まず購入権なるものを手にしなければならず、しかも、それ自体が抽せん対象だという。

さらに購入の権利を得たとしても(予約金200万円以上払う必要あり)、GT系は全世界的争奪戦となっているうえに、昨今の世界情勢の影響もあって生産枠がいつ割り当てられるのかも分からず、「納期不明が当たり前」という。ラッキーな人で半年、長い人では2年近くも待たなければならないらしい。ヘタすると乗る頃にはモデルが変わってしまう可能性すらあるではないか。ガマン強い! だが、それだけGT系は魅力があるということか。

ちなみに、購入権の抽せんは、予約販売開始の発表と同時に応募者が殺到し、ほとんど秒殺である。プレミアム性が高いことから殺到する人の中には転売ヤー的プロも多く、それゆえディーラーのポルシェセンター(PC)では、購入実績のある人を優先しているという。ようするに一見の客はお断りなのだ。購入実績がない筆者のような一般人は、新車を手にすることはまず不可能なのである。フェラーリのスペチアーレは昔からそうだし、最近はレクサスの限定モデルもそうらしいが、まずはフツーのモデルを買って実績を積まないと始まらないのだった。

ちなみに2023年3月現在、まったくオプションのない標準仕様の992GT3新車価格は2438万円(消費税込)であり、その中古車(新古車)相場価格は軽く3000万円を超えている。市場の原理とはいえ、ほんと一般人にはキビシすぎる新車購入事情なのだった。

空冷? 水冷? どっちを選ぶ?

さて、ということもあり、筆者が狙えるのは過去の、すなわち中古の羽根付き911しかない。まず空冷モデルか水冷モデルか? である。これはズバリ水冷一択。空冷はいろいろな意味でアラカンのおっさんにはキツそうなのだ。

子どもの頃に惹かれていたこともあり、姿形はドハマリなのだが、筆者はロングツーリングやスポーツ走行をしてみたいのである。空冷でもぜんぜん楽しめるとは思うが、本質的にビビりなため、気兼ねせずに乗れそうにない。もはやそんな使い方をするには気が引ける存在なのだ。それに、快適性も確保したいところである。とくにエアコンだ。最近の気候は人にもクルマにも厳しすぎる。964や993は930以前よりはまだマシかもしれないが、効かないとか壊れやすいのでは困る。

加えて、若き頃に1970年式911S(フツーの若者でも手に届く良き時代でした)、そしておっさん化後に1986年式カレラ(これも底値時代)を所有する機会に恵まれたこともあって、いま乗って楽しむなら空冷ではなく、新しい21世紀の水冷911と思っていたのだ。

そもそも空冷は、価格面でハードルが高過ぎる。憧れのナナサンカレラといえば、もはやコレクターズアイテム。記憶では1990年代初頭当時の中古価格は1500万円していなかったが2019年のオークション落札価格の一例では、ミツワもののTouring仕様で約7300万、今は世界的には1億円くらいが相場らしい。ナナサンカレラと同じメカポン(ボッシュ製機械式フューエルインジェクション)のエンジンを積むビッグバンパーのナナヨンカレラもコレクターズアイテム化し、これまた5000万円近い。

羽根付きといえば歴代の空冷911ターボが挙げられるけれど(3.2カレラは経験済みのためSCも含め対象外)、これらもかなり高騰していることは知っていた。今や964ターボも2500万円以上が当たり前の相場価格である。どれもが遠い存在となってしまったのだ。さて、ではどの水冷羽根付き911なら乗れるのか……。

* *

アラカンのおっさんは一体どんな21世紀の羽根付き911を選ぶのか? 次回は、中古車市場で悶絶編をお届けします。

12
すべて表示

 

 

 

 

 

 

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS