3ピースホイールの老舗スーパースターが創業当初の「サンドイッチ工法」を復活
3ピースのホイールメーカーとして老舗の「スーパースター」。40年以上の歴史を刻む同社が今回チョイスしたのが、創業当初に3ピースの組み付け技法として採用されていた「サンドイッチ工法」だ。現在発売されている多くの3ピース構造は「オーバーヘッド構造」と呼ばれ、車両外側よりディスク/アウターリム/インナーリムという順番で組み付けられることが多いが、創業当初の「サンドイッチ工法」は車両外側よりアウターリム/ディスク/インナーリムという構造が採用される。つまりディスクをアウターリムとインナーリムで挟み込むから「サンドイッチ工法」と呼ぶわけだ。
現在一般的な構造よりリムが強調されるデザインが魅力
その創業当初の「サンドイッチ工法」から「オーバーヘッド構造」に切り替わったキッカケは、ベース車両の車重が重くなるのに対してオーバーヘッド構造を採用することで強度がアップできたため。またもうひとつに足まわりの構造上、インセットをプラス方向でセットしたほうがディスクがより車体の外側に位置し、ホイールのセッティングにおいて有利だったため。さらに18インチが大口径と呼ばれていた当時、ディスクを少しでも大きく見せるためという意味合いも色濃かった。
スーパースターでは「ヘリテイジライン」として2022年より「サンドイッチ工法」を復活させた。その理由としては、現在では20インチが主流となるためにディスク自体も大きくなり強度的な問題がクリアされたことと、ユーザーが昨今求める、本物志向である。
全周ピアスボルトが採用されたクラシカルなデザインと現在の優れたデザインが融合し、オーバーヘッドとはまた違った表情を浮かばせる。またアフターパーツマーケットでリムを主役に見せるスタイルが浸透し、ユーザーの認知度が高まってきたのも大きい。「サンドイッチ工法」はリムがディスクの上に被さるデザインを採り入れることにより、ディスクが小さく見え、「オーバーヘッド構造」よりもリムが強調されるデザインが特徴だ。
スーパースターの社内ではこういった魅せ方による構想はじつは3年くらい前からあったそうだ。2022年にレオンハルト・ブランドのヘリテイジラインとして、まずは新規デザインとして「バイファル」を発売し、次いで「バレストラSW」、「グラウベSW」をリリース。そして今年は「ゲミュートSW」、「ヴェレSW」と続いている。
シンプルなディスクをピアスボルトが彩る「ゲミュートSW」
そこで今回紹介するのが2023年モデルであるゲミュートSW。無駄を省いた最小限の構成のメッシュデザインを採用。ゲミュート自体は以前からラインナップされているモデルだが、ピアスボルト部分は通常のゲミュートと見比べてもらえば分かるとおり、ピアスボルトがディスクで隠れることなくリムの上をしっかりとボルトにて留められている様子が見て取れる。サイズも19~21インチを採用。写真の新型プリウスには20×9.0/インセット38を履かせている(撮影車両はフロントに20mmとリアに25mmのスペーサーを使用)。カラーはアンバーブロンズ。このカラーは真紅のボディにもよく似合う。
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