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トヨタ「プロボックス&サクシード」の室内装備がすごかった! 商用車に革命を起こしたプロユース仕様のバンでした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎七生人

移動オフィスのような室内が特徴的だった

もちろん最大の特徴は、バンとしての機能性へのこだわりだった。とくに積載性に関してはいかにもオフィスまわりの営業車を意識した風で、プロボックスのカタログのモジュールでは、A4コピー用紙の箱が89個、みかん箱が38個、さらにコンパネ平積み可能などと紹介がある。2名乗車時の最大積載量は400kgで、荷室内の奥行き1810mm×幅1420mm×高さ935mmという寸法にも驚かされる。

トヨタ プロボックスのカタログ

また「それは移動オフィスのような使いやすさ」と書かれたドライバー席まわりの装備も涙ぐましい配慮にあふれている。ノートパソコンを置くためのインパネテーブル、A4サイズのファイルが収納可能な助手席側フリーラックをはじめ、AC100Vアクセサリーソケット(メーカーオプション)、センターコンソールのA4バインダー立て、それにペン立て(!)も。

どの年式だったか記憶が定かではないが、筆者は試乗用に借り出した広報車で、手持ちのバッグやペットボトルやノートPCやチョコレートの包みを実際に置いてリアリティのある撮影をしたが、あまりにも生活感が出過ぎたためか、そのカットが記事上ではボツになってしまったのは返す返すも残念だった。なおドライバー席はヒップポイントが585mmで、最大31mmの高さ調整が可能になっていた。言うまでもなくこれは、複数のドライバーが交代で乗ることを想定してのことだ。

各種断面を面取りした多面体形状のエクステリア

それと外形デザインも特徴のひとつだった。当時のトヨタ車のデザインテーマだった「VIBRANT CLARITY(わくわく、さわやか)」に則ったうえで「INNOVATION+FUNCTION」をキーワードに作られたスタイルは、コーナーや各種断面を面取りされた多面体形状とし、剛性感やタフさを表現。サイドビューは水平基調の広い面構成だが、これは広告塔としての対応のしやすさも考えてのこと。バンパーコーナーは補修のしやすい脱着式のコーナープロテクションモールを採用していた。カタログの裏表紙には「社名入れ」などのアイデアスケッチ用に、プロボックスの外観の線図がある。

なおプロボックスとサクシードの基本スタイルは共通だったが、ワゴンのみの設定のサクシードはスラントノーズと大型リアコンビランプを使うなどの差別化が図られていた。

今回載せているプロボックス(とサクシード)のカタログは2008年8月のものだが、バン(プロボックス)のエンジンにはガソリンの1.3L(2NZ-FE型)と1.5L(1NZ-FE型と天然ガス仕様の1NZ-FNE型)を設定。2WDのほかに4WDも用意されていた。

何年式のどの仕様だったか記憶が曖昧だが、一度、律義にも4ナンバーのバンで用意のあった広報車を借り出し、なぜか伊豆方面まで試乗に出かけたことがあった。伊豆スカイラインあたりを走るには、さすがに荷重移動を体感しながらリズムを作って走る必要があり、走行中の音や振動には乗用車との味わいの違いを実感したもの。

ただし、たまたまモータージャーナリストではない家内とわが家の犬を乗せる必要があり、クッションの厚みが最小限で低く平板な後席に座ってもらったところ、半分ジョーク、半分本気で家内に「私たちは荷物なの?」と言われた覚えがある。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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