雨漏りや水まわりまでラッセルさんたちのDIYでレストア
その後、ラッセルさんと息子のアダム、さらには友人で経験豊富なメカニックのホセさんによるレストア大作業が始まった。まず、ルーフの雨漏りは、シリコンを含むRV用特殊ペイントを使って徹底的にコーティングを行った。写真を見ただけで、根気がいる大変な作業だったことが分かる。
シャワーのフロアパンは、サーファーのアダムがどうしても直したかった部分。しかし、パンが変形であるために、いくら探しても代用できる部品は見つからなかった。そこで完全防水シートを貼って、そこにタイルを流し込むというスゴ技に出た。まさに、ホセさんの知見の賜物といえる仕事だった。
クラックが入っていた洗面ボウルは、リペアキットを使って修理して再ペイント。シャワールームに比べれば楽だった、とさらっと言われた。トイレを設置するかどうかは、今後の課題だそうだ。
直したらいきなりLA~NYのロングドライブを敢行!
機関については、冷却系のレストア、クーラントの交換を行った。やはり坂道で水温が上がる状態で、ぼくも一番悩まされた部分だったが、ていねいなレストアですべて解消したそうだ。また、オイル類をすべて交換するとエンジンの調子も格段に良くなったという。
仕上げはボディだ。オリジナルのデカールを剥がして鈑金作業をした後、なんと独創的な白とグリーンのツートンに変身させたのだ。そして、「COLUMBA」という新しい名前のプレートがつけられた。う~ん、「ドル」よりカッコいいか。
ラッセル親子は、さっそくニューヨークまでの長距離ドライブを敢行。無事にツアーを終えて帰ってきた。まあ、悔しいけど、レストアにしても試運転にしても、やることのスケールが違うと脱帽した。
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ラッセルさんは、「また、ドルフィンで旅をしたいんだったら、いつでも貸してあげるよ。え? お金なんていらないよ」と、真に受けていいのか、戸惑うようなオファーをくれている。最高のオーナーのメンテを受けて幸せなドルとの再会が実現するのか? 最近、またアメリカ地図をときどき広げている。
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