585psのAMG謹製M177エンジンを搭載
メルセデス・ベンツ日本は、ラグジュアリーロードスターの「メルセデスAMG SL」にトップグレードとなる「SL63 4MATIC+」を追加設定した。併せて、2022年10月のフルモデルチェンジで登場した「SL43」の装備が一部変更されている。
SL43に続いて本気のAMGが満を持して登場
現行のSLは2022年に7代目へと進化。ハイパフォーマンスモデルを手がけるAMGが独自設計し、モータースポーツ起源のスポーツカーに原点回帰を目指したAMGブランド専売モデルとなる。ロングノーズ、ショートオーバーハングといった伝統的なフォルムを継承。ルーフもソフトトップに回帰し、2+2シーターとして登場した。
追加されたSL63 4MATIC+には、メルセデスAMGが完全自社開発した、最高出力585ps/最大トルク800Nmを発生する4L V8直噴ツインターボエンジン(M177)を搭載する。ターボチャージャー2基をVシリンダーバンク内側に配置する「ホットインサイドV」を採用。新たにピストンの重量最適化や新開発ソフトウェアの採用など、さまざまな改良が行われている。
シフトダウン時に1速飛ばしたギアの選択や自動ダブルクラッチ機能などを備えて素早いシフトチェンジを可能とし、高い伝達効率の湿式多板クラッチを用いた「AMGスピードシフトMCT9速トランスミッション」を組み合わせている。
ドライブモードはECOスタートストップ機能を備えたコンフォートやサーキット走行に適したレースなど、走行状況やドライバーの好みに合わせて6つのモードが用意されている。さらに、車体とのマウントには磁性流体の可変マウント(AMGダイナミックエンジンマウント)を採用。マウントの硬さを自動変更し、ノイズやロールモーションを減少させる。SLとしては史上初となる四輪駆動を採用したほか、パフォーマンス志向連続トルク可変配分式の4MATIC+が搭載された。
後輪操舵システムなど「初採用」も多数
サスペンションにはメルセデスAMG量産モデルとして初めての採用となる、新開発のAMGアクティブ ライド コントロール サスペンションを装備。これは4本のサスペンションストラットを相互に油圧で接続し、ポンプとスイッチングバルブに対して圧力調整を行うことで広いロールレートの確保とロール動作の低減を実現する。この油圧回路はフロントエンドを30mm上昇させることも可能で、段差を乗り越える際にも活躍してくれる。
さらに、リア・アクスルステアリングがSLに初採用された。この後輪操舵システムは100km/h以下では後輪を前輪と逆方向に操舵することで、コーナリング時の操舵量を減らしたり回転半径を小さくすることに貢献し、駐車時などで活躍する。100km/h以上では同方向に操舵され、操縦安定性を向上させる。
内外装はSLの最上級モデルらしい仕立てに。エクステリアはよりスポーティな装いだ。なお、価格はSL43の1190万円高となる2890万円(消費税込)とされた。
あわせて、ベーシックグレードとなるSL43も一部改良を受け、新デザインのボンネットエンブレムを装着。(私有地内の)駐車スペースと乗降場所など、所定の2カ所のルートを記憶させることにより自動で移動・駐車してくれるメモリーパーキングアシストを標準装備としている。なお、SL43の価格は1700万円となる(消費税込)。