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高速バスでドイツからモナコへ単独移動! バスでもやっぱり乗り心地がいいのはメルセデスでした【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(Midori Ikenouchi)

定時運行のため高速バスの運転手も苦労している

ドイツ・アウトバーンの普通自動車の通行料は無料ですので、インターチェンジも料金所もありません。しかし、今回通るイタリアやフランスには日本にそっくりな料金所があります。ひとりで運転して外国へ行く際には、全く理解できない言語の国の料金所は恐怖でしかありません。

多くの支払機ではドイツ語や英語に変換できるのですが、そんなにのんびりもしていられず。イタリアやフランスの方はクラクションを何度も鳴らして急かしてくるので、とても焦るのです。今回はそんな恐怖もなく、バスの運転手さんにお任せです。

ところでこの緑色の「Flix Bus」ですが、運転手さんは定刻で運行するために頑張ってくださっているので、かなり頻繁に車線変更を繰り返します。普段アウトバーンでその後ろや横を走っていると正直イラっとすることが多く、実際に自分が乗るまでこのバスにはあまり良い印象はありませんでした。

しかし、自分がいざ乗客として乗っていると、車線変更をするのも仕方がないなという気分に。帰りの便は一番前の席が取れたので景色も他のクルマの運転マナーもよく見られたのですが、まぁ、びっくりするくらいにノロノロ運転のクルマも多いこと。

ドイツではメルセデスやMANのバスが主流なのですが、この「Flix Bus」では数多くの「イルサール(irzar)」が使用されていました。スペインに古くからあるバスメーカーだそうですが、私は初めて知りました。行きのミュンヘンからミラノの便はこのイルサール製のバスに乗りましたが、私の席は後輪のちょうど上、エンジンも近い場所だったので、正直とてもうるさかったです。

また、このイルサールバスは座席間が非常に狭いのもキツかったですね。それに対してミラノからニースの便はメルセデス製のバスで、座席間もゆったりしておりとても快適でした。一睡もできなかったミラノまでがウソのように、その後はよく眠りながらニースに到着。帰りの便もメルセデス製のバスを期待したのですが、残念ながらイルサールバス……。

メルセデスのバス

出発までのわずかな時間でニースの街並みを堪能

フォーミュラEの取材は早朝から夜までかなり大変でクタクタで、閉店間際のスーパーマーケットに駆け込んで夜ご飯を調達するのが精いっぱい。ですが帰国の日は20時発の便を予約していたので、チェックアウト後は荷物を預けてすぐに観光へ。ニースは過去に何度か訪れているので多少土地勘もあり、適当にブラブラできました。

裏通りの地元の方しか行かないようなパン屋さんに寄ってのんびりコーヒーとパン、ケーキを堪能。観光地ではない朝市を散策し、適当にトラムに乗って面白そうな場所で降りているとあっという間に時間が過ぎてしまい、心残りではありますがニース空港のバス乗り場へと向かいました。

1000kmを超えるひとりドライブは確かに疲れますが、それでもやっぱり自分で運転する楽しさや喜びには勝てませんね。来年、もしモナコへ取材に行く機会があれば、やはり自走で行こうと心に誓ったのでした。

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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