全国どこでも走っていける「個人所有の自家用車」
八良さんの現在の愛車である富士重工の8Eは、購入時はフロントアクスル・キングピンの交換が必要な「故障車」であったが、この年代のモデルがどんどん減ってきている状況ということもあり、わずかな出会いのチャンスを逃すまいと購入に踏み切ったそう。
そして懸案の故障箇所の修理をはじめ、排気量6925cc、水冷4ストローク・直列6気筒OHVディーゼルのFE6EエンジンにはNox・PM減少装置を装着し国内全地域への排ガス規制適合化、高速道路走行適合化などの改善を加え、今では純粋な「個人所有の自家用車」として楽しんでいる。青いストライプの入った白いボディ、「千城バス」のロゴやフロントの「社章」も八良さんのオリジナル・デザインだ。
元・公共交通機関だけにコンプライアンスを徹底して楽しむ
少年時代から路線バスを愛車にしようと決めていた八良さん。社会人になってからは夢の実現に向けて大型二種免許を取得し、さらに運行管理者の国家資格も取得しているというから、そのバス愛はホンモノだ。ひと口に「個人が趣味の自家用車として古いバスを買う」といっても、中古の乗用車を買うことに比べると、そのハードルは高い。
「古い中古バスの価格自体は乗用車と大きく変わりませんが、昨今ではむしろコンプライアンス的なハードルが高いです」と語る八良さん。
「もともと公共交通機関であった路線バスを個人の愛車として楽しむからには、バスに関わる仕事に携わっている本職の方に迷惑をかけてはいけないと考えています」
という見上げた心がけで「バス趣味」を楽しんでいる八良さんのバス趣味人生に、幸多かれ。