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不安だった「スバル×MT」も慣れれば平気!「BRZ」は峠やサーキットで走りたくなる1台でした【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: AMW 米澤 徹

BRZとの距離を縮めるなら峠かサーキットがいいかも!

「たとえ広報車でも愛車のように扱え」とは元上司の言葉で、MT車に乗るときはクラッチをいたわるために、あまりアクセルを煽らずに発進をするように意識をしているが、BRZは私の運転技術が足りなく少々苦労した。

水平対向エンジンは、レスポンシブなのでコツが必要なのはわかっているが、なかなかリズムが掴めなかった。あくまでも個人的な印象だが、アクセルを踏んでからの吹け上がりの(回転数)反応が少々鈍く、もし所有するとしたらスロットルコントローラーは入れたいと感じた。

何度か苦労しているうちにタイミングが掴めてきた。発進さえしてしまえば、こっちのもの。周りの流れに合わせて運転をしていく。あらためて冷静にインテリアを見れば、水平基調なデザインを採用していることもあり視界が良い。ドライバーズシートからはフェンダーの膨らみが見えるから、フロントノーズの距離もつかみやすいと感じた。

また、インフォテイメントシステムやエアコンスイッチなどの操作系もわかりやすい。ハザードのスイッチはセンターのエアコン吹き出し口にあるから手が迷うことがなく押すことができた。

しばらく走行をしていると一瞬だけ前がひらけたので、従来型より400cc拡大したという2.4L FA24エンジンのフィーリングを試そうとグッとアクセルを踏み込んでみると、エンジン音が途中から同調してくることがわかった。ここからが気持ちいいかも! と思ったが、この続きは高速道路もしくはサーキットじゃないと味わえなさそうだった。BRZと距離を縮めるのであれば、峠やサーキットといったシーンがいいかもしれない。

スバルBRZ

それから、乗ったときからうすうすと感じていたが、全体的に剛性が高く、コーナーリングも思い描いたラインをトレースすることができた。峠に持ち込むともっと楽しいぞ! どうだ行くかい? とクルマから問いかけてくる感じが伝わってきたのも付け加えておきたい。

視線を集める快感もスポーツカーの魅力

撮影場所に到着し、ファインダー越しにあらためてクルマを見ると、FRスポーツカーらしいスタイリングだなと気づく。じつは現場に向かう道中、タンデムしている1台のオートバイがずーっと後ろをついてきて、こちらに指を向けながらなにか会話をしているのがミラーから見えていた。彼らを惹きつけるスタイリングだったのだろうか。彼らと同じ目線と思えるあたりで確認をしても、サイドからリアにかけたデザインはいいな、と思った。

ちなみに東京のお台場界隈を流すと、居合わせた訪日外国人たちもちょくちょく、こちらに指差ししながら会話しているのが見受けられた。赤いスポーツカーは誰もが憧れるのだろうなと、オーナーでもないのに少し嬉しくなったのはここだけの話だ。

冒頭で触れた不安はいつの間にか忘れ、素直に運転が楽しいと感じていた試乗タイムは、あっというまに返却の時間になってしまった。あらためて振り返ると、クルマの剛性の高さが何より印象に残っていた。サーキットに持ち込むなら、あのパーツを入れたらどうかな? 峠がメインなら、このパーツかな? なんて考えながら乗るのが楽しい1台であった。クルマ好きなら1度は触れておきたいクルマであることは間違いなさそうだ。

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  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • 1991年生まれの秋田県出身。15歳のときに上京し勉学に勤しむも、高校生時代から東京都内をカメラ片手に自転車に乗って、神出鬼没、車屋巡りをする日々を送る。社会人になり、その時に出入りしていた趣味系自動車雑誌の元編集局長に呼ばれ、交通タイムス社に入社、現在に至る。イタリア車が趣味の中核ではあるものの、クルマに関連する本やミニカーを集めまくる根っからの収集癖おさまらず……。古書書籍、ミニカー、これらの山の中で生活を続けている編集者。
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