あくまでも「魅せる」仕様にカスタム
リアハッチを開けると目に飛び込んでくるサスペンションも凄いが、その奥の運転席の作りも凄まじい。ロールケージを張りめぐらせる室内にセットしたアルミ製の見慣れないステアリングとシートは、日本では誰も装着していないだろうという理由から、インパクト重視で海外から取り寄せたメタルモデルを選択。これがコクピットをさらにスパルタンな印象に演出してくれている。
また、ドリ車というテーマなので、定番のリアラジエターに加えて油圧サイドブレーキも導入。助手席側には、カスタムペイントを施した38L安全タンクとロベルタカップ用のコンプレッサーを配置。配管も美しくレイアウトしている。
操作系のスイッチ類も自作でカッコ良くリメイク。センターパネルにイグニッションスイッチを移設、シフトノブはシーケンシャル風のゲートタイプに改造を加えた。
まさに突き抜けた魔改造を施したK12マーチ。吉田さんと鈴木さんは、この姿になるまで丸3年を費やして完成させたという。見た目はこれで完成、サスペンションについても苦労したかいあって満足なレベルということ。よって次なるプランはパワーユニットの問題だ。
非力なエンジンをどうするか? 現在、吉田さんのガレージ内にEFシビック用のB16エンジンが置いてあるので、これをターボ仕様にチューニング。ワイドボディでありながらもキビキビとよく走るカッ飛び仕様を作ろうかと検討中だ。
吉田さん、鈴木さん、このふたりの改造物語はまだまだ続く。これまでの道のりをこうして書き連ねるだけでも、我々が夢中で読んだ『よろしくメカドック』を含めた漫画の世界そのままだ。今後の仕上がりに期待したい。