AT限定免許でもレース参戦が可能
「Audi A1 Fun Cup」の魅力は、ATのため限定免許であっても楽しめること。そしてJTCCのレースで憧れたFF駆動車であることから気になっていた。たまたま転職した先の職場でそんな相談をしたところ、応援してくれる話になり、当初は予算面では厳しかったはずだが、ととんとん拍子で参戦に至った。
といってもレース初心者、サーキット1年目である。
「まわりのみんな絶対速いじゃん」と予想していたのは、思っていた通りだったようで、開幕戦はなんとか優勝できたものの、全く余裕はなかったと話す。それでも、近藤選手の強みはシミュレーター。雨の走行はシミュレーター内で体験できるものでもなく「まだリアルの限界がどこにあるのかわからない」といいつつも、シミュレーターで自分の中に蓄積してきたテクニックの引き出しを少しずつ使っていく走りできっちりとタイムを出してくる。
近藤選手は今回の予選セッションで走り出した計測1周目の1コーナーの様子を振り返る。
「ドライと同じ感じでブレーキを踏み始めたら、あと少しで砂利に埋まるかってところまでコースアウトしてしまって焦りました」
今回の勝因については次のようにコメント。
「今回のレースでは、セーフティカーが導入されたレースでした。通常はリスタートの際に、全車との差をギリギリに詰めて再スタートとなりますが、セーフティカーがピットに戻った後はどうしていいかわからず……。とりあえずグリーンフラッグが出たのでアクセルを踏んでいきましたが、後ろの選手もどうしたらいいかわかってなかったみたいで……。後続車がリスタートの際に出遅れた分の差が今日の勝因でした」
とはいえ、結果は結果。ダントツの強さで勝っていることに異論はないだろう。まだまだ、A1で楽しいレース人生が進んでいきそうな気配である。