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ボルボ印の「大型観光バス」を車中泊カーに!? マイカーとしてDIYで「食堂車」へと改装中です

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: AMW 竹内耕太

メンテやパーツ調達には情熱と勉強が必要

「エアサスなので調整可能とはいえ、車高が3.7~3.8mほどもあるので、橋桁の高さなど旅行先の通行可能なルートは事前に調べます」

と語るASさんにメンテナンスと維持費についても聞いてみた。

「車検はユーザー車検でコスト自体は安くできます。ただしユーザーが整備に関して全責任を負う制度であって、パーツ交換のタイミングをユーザー自身が決められるのは良い点ですが、クルマについて相当勉強しなければなりません。整備については車検とは別に整備工場に無理なお願いをしてやってもらっていて、感謝しています。

パーツ類は海外から直接取り寄せることができますが、部品番号を調べるのに一苦労はもちろん、昨今の世界情勢でヨーロッパの物流は麻痺しておりまして、届くまでにかなりの時間を要するのは大変なところです。いま新しい部品調達先を探しているところです。

任意保険なども、そもそも大型バスはプロが運転するものなので事故率は低い、という前提でむしろ保険代は安いんですよ。ただ、重量税だけは高いですね。なにせ車重が14tもあるので(笑)」

じつはASさん、本職は別の乗り物の設計だそう。公共交通機関の乗り物全般が趣味であり生業でもあるASさんにとって、このボルボ・アステローペは自分で設計した新しい乗り物のような存在なのかもしれない。

車内にキッチンやお座敷などをDIYで設営中

「まだまだ作業の途上なのですが、じつは現在このバスを“食堂車”として改装している最中なんです」

というASさん。たしかに車内にはすでにシンクやコンロ、シャワールームにテーブル席などが準備されている。センターアンダーフロア・エンジンの利点を活かし、リアの床下には寝室にもなるちょっとした小部屋も。

「まだしばらく先の“夢”ですが、このバスが食堂車として完成した暁には、この個体がかつて活躍していた西日本エリアとかに出かけて、そこで食事を提供する営業ができるといいなと考えています。和・洋・中華、どんなメニューを提供するかはまったく決めてないんですけれど(笑)」

そう遠くない将来、日本のどこかの観光スポットで、美味しい食事を振る舞うボルボ・アステローペの食堂車が見られる日が来るのが待ち遠しい。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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