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3代目「スカイライン2000GT」は日産とプリンスのDNAが注がれた名車でした!【国産名車グラフィティ】

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TEXT: 片岡英明  PHOTO: 佐藤靖彦/増田貴広

高い耐久性と強度で後年に名機と呼ばれる日産初の直6 SOHCエンジン「L20型」

スカイライン2000GTは、日産を代表するパワーユニット、L20型直列6気筒SOHCエンジンを搭載。開発当初は、プリンス製のG7型エンジンを積む予定だった。しかし、日産との合併によってL20型エンジンを使うことになる。生産コストや耐久性の点で優位に立つなど、この判断は今になってみると正解だった。

L20型は日産では初めてSOHC機構を採用したエンジンだ。ロッカーアームを直接カムシャフトが動かし、バルブを駆動する。回転バランスがよく、高回転域までスムーズに回り、静粛性も高い。

L20エンジン

ボア78.0mm×ストローク69.7mmのオーバースクエア設計で、総排気量は1998cc。ウェッジ形燃焼室を採用し、吸気系と排気系が同じ側にあるカウンターフロータイプのバルブ配置を特徴としている。

シリンダーヘッドは軽量で放熱性の高いアルミ合金製だが、ブロックは丈夫な鋳鉄製だ。クランクシャフトの下まで覆うディープスカートタイプだからブロック剛性は高い。パワーアップしても壊れにくいから、チューニングして乗るスカイラインのユーザーも少なくなかった。

スカイライン2000GTに積まれているL20型エンジンは、2バレルのシングルキャブ仕様。カタログスペックは、セドリック(130型前期)に搭載されているL20型と同じで、最高出力は105ps/5200rpm、最大トルクが16.0kgm/3600rpmだ。

だが、これは新しいもの(技術)に厳しい運輸省(現・国土交通省)の型式認定を円滑に進めるための方便だった。

スカイラインでは圧縮比を8.5から9.0に高め、クランクメタルなどを強化。カムシャフトはツインキャブ仕様のものを使っている。オートチョーク機構はマニュアル式に変更。それゆえセドリックとはパワー感や回転フィールは大きく異なっていた。

トランスミッションは、節度感がありゲートに入れやすいワーナーシンクロの4速MTだ。最高速度は170km/hで、ゼロヨン加速は17.6秒と発表されている。この時代はMT車が主役だったが、ファン層が広がってきたので1970年6月に2ペダルの3速ATを投入した。

だが、猫を被っていたのは1年だけ。1969年10月のマイナーチェンジでL20型のパワーアップを断行している。シリンダーヘッドは設計変更を行い、燃焼室形状は圧縮比を9.5まで高めるためにドーム加工を施した。ピストン形状やコンロッドも換えている。コンロッドメタルも高回転まで回すことを意識した設計だ。これらの努力によってハイオク仕様の最高出力120ps/6000rpm、最大トルク17.0kg‒m/4000rpmを達成している。最高速度は175km/hに向上した。

待望のSUツインキャブ装着車の2000GT‒Xを設定したのは1971年9月。搭載するL20型エンジンは2種類のチューニングを用意。圧縮比が9.5のL20型はハイオクガソリンを指定し、最高出力130ps/6000rpm、最大トルク17.5kgm/4400rpmを発生する。圧縮比を8.6に下げたレギュラーガソリン仕様は125ps/17.5kgmに抑えられている。

2000GTの魅力のひとつ、それは冴えたフットワークを見せる独立懸架のサスペンションだろう。フロントは、4気筒エンジン搭載車を含め、ブルーバード(510型)やローレルと同じ形式のストラット/コイルスプリング。しかし、2000GTとGT‒Rは、リアに新設計のセミトレーリングアーム/コイルスプリングを採用している。

サスペンションはブルーバードやローレルと共通部品を使うことになっていたが、実際に共用できたのはサスペンションアームのプレス品やコイルスプリングのマウント、ボルトとナットくらいだった。とくにリアサスペンションは、ほとんどが別設計だと設計者は語っている。ちなみにタイヤは6.45S‒14‒4PR。

ブレーキは、フロントに安定した利き味のディスクブレーキを採用している。2000GTが装着しているのはガーリングタイプのディスクブレーキだ。ディスクローター径も2代目のGTより大きくなり、制動性能を大きく向上させた。リアブレーキは、リーディングトレーリング式のドラムブレーキ。また、安全性を高めるために2系統のタンデムマスターシリンダーとマスターバックも標準装備している。

スカイライン ハードトップ2000GT-X(KGC10)

●年式:1972
●全長×全幅×全高:4330mm×1595mm×1375mm
●ホイールベース:2570mm
●トレッド(F/R):1325mm/1320mm
●車両重量:1115kg
●エンジン:L20型 直6 SOHC+SUツインキャブ
●総排気量:1998cc
●最高出力:130ps/6000rpm
●最大トルク:17.5kgm(172N・m)/4400rpm
●変速機:3速AT
●サスペンション(F/R):ストラット/セミトレーリングアーム
●ブレーキ(F/R):ディスク/リーディングトレーリング
●タイヤ:6.45S-14-4PR
●新車当時価格:86万円(2000GT)

■「国産名車グラフィティ」記事一覧はこちら

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  • L20エンジン
  • 2000GT-Xのリア
  • KGC10スカイライン2000GT
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